郡山市には、生活保護法を根拠とした「救護施設」と老人福祉法を根拠にした「養護老人ホーム」の2ヵ所が設置されている。救護施設である郡山せいわ園は「身体上又は精神上著しい障害があるために日常生活を営むことが困難な要保護者を入所させて、生活扶助を行う」ことを目的とする施設で、養護老人ホーム希望ヶ丘ホームは「環境上の理由及び経済的理由(政令で定めるものに限る。)により居宅において養護を受けることが困難な高齢者(65歳以上)」が入所して生活する施設となっている。どちらも運営は社会福祉法人郡山清和救護園によって行われている。2016(平成28)年社会福祉法の改正により社会福祉法人の「地域における公益的な取組」の実施に関する責務規定が創設された。これにより社会福祉法人は公益的事業に取り組むことになったが、同法人では改正社会福祉法施行前の2015(平成27)年10月からすでに郡山市からの認定を受けて中間的就労支援に取り組んでいる。中間的就労は生活困窮者自立支援制度の「認定就労支援事業」にあたるもので、直ちに一般就労が困難な者に対する支援付の就労の場の提供であり、同法人については自主事業として郡山市が認定している。
このように施設の役割についても、施設入所者(利用者)を対象としたサービスだけではなく、地域を対象としたサービスや新たな公益的事業の取組みなど、社会福祉法人の責務も増してきている。
(島野 光正)