特別養護老人ホームとは、老人福祉法により65歳以上の高齢者で身体上もしくは精神上の障害のため、常時介護を必要とし、居宅での生活が困難と認められる場合に入所させ養護することを目的とする施設である。介護保険法上、所定の要件を満たした特別養護老人ホームは介護老人福祉施設として、介護保険施設の一つに位置づけられている。
郡山市には、特別養護老人ホームと地域密着型特別養護老人ホームが合わせて22施設ある。地域密着型特別養護老人ホームとは、入所定員が29人以下の特別養護老人ホームであり、地域密着型施設サービス計画に基づいてサービスを提供する施設である。高齢者人口の増加を受けて、高齢者が要介護状態になっても、できる限り住み慣れた地域で生活を継続できるように創設された(厚生労働省(2023)『厚生労働省ホームページ』「介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設』<https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001131787.pdf>参照2023年11月18日)。
郡山市に2012(平成24)年以降に開設された、特別養護老人ホーム・地域密着型特別養護老人ホームは、7施設であることから、これらの施設について紹介する。
地域密着型特別養護老人ホームなりたは、2012(平成24)年9月に社会福祉法人なりた福祉会により開設した。運営方針は「1.入居者一人一人の意思及び人格を尊重し、施設サービス計画に基づき、その居宅における生活への復帰を念頭において、入居前の居宅における生活と入居後の生活が連続したものとなるよう配慮しながら、各ユニットにおいて入居者が相互に社会的関係を築き、自立的な日常生活を営むことを支援することを目指す。2.地域や家庭との結びつきを重視した運営を行い、市町村、居宅介護支援事業者、居宅サービス事業者、他の介護保険施設その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めるものとする。」としている。入所者第一を目標に、一人ひとりのかけがえのない笑顔と思いを大切に、安心した生活を送れるように生活環境を整え、自立を支援し、家庭への復帰を目標としている施設である。
地域密着型特別養護老人ホームハーモニーみどりヶ丘ヴェールは、2013(平成25)年11月に社会福祉法人心愛会により開設された。施設サービスに基づき、入居者が可能な限りその有する能力に応じ、自立した生活ができるよう支援することを目的としている。運営方針は「1.施設において提供するサービスは、介護保険法及び関係する厚生労働省令告示の趣旨に沿ったものとする。2.施設は、入居者の意思及び人格を尊重し、常に入居者の立場に立って施設サービスを提供する。3.施設は明るく家庭的な雰囲気を有した運営を行い、市町村ほかの介護保険施設、居宅支援事業者、居宅サービス事業者、その他の保健医療サービス提供者との密接な連携を図る。4.施設は、入居者とその家族に対し、サービスの提供等の方法について、理解しやすいように説明を行う。5.施設は、入居者の要介護状態の軽減又は悪化の防止のために、心身の状況を踏まえて、日常生活に必要な援助を行う。6.施設は、自らその提供する施設サービスの質の評価を行い、常にその改善に努める。7.施設は、施設サービス計画に沿った施設サービスを提供する。」である。入所者に必要な支援や安心の提供はもちろん、生きがいや役割を感じながら生活していける「家」として、想いに寄り添った介護を提供し、生きがいと役割のある生活を支援することで、「住み慣れた地域でいつまでも暮らしたい」想いに応えていく支援に努めている。
特別養護老人ホーム南東北グランプラス八山田は、2014(平成26)年11月に社会福祉法人南東北福祉事業団により開設した。同施設には高齢者施設のほかに障がい者就労継続支援事業所、障がい児通所支援事業所が併設された総合福祉施設である。運営方針は「1.介護保険法、老人福祉法及び関連法令に基づき、施設サービスに即して、入居者の居宅での生活への復帰を念頭において、入浴、排泄、食事等の介護、相談・援助、社会生活上の便宜の供与、その他の日常生活上の支援、機能訓練、健康管理及び療養上の支援を行う。そのことにより、入居者がその有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるよう目指します。2.入所者の意思及び人格を尊重し、常に入所者の立場に立ってサービスを提供するよう努めます。3.居宅介護支援事業者、居宅サービス事業者、他の介護保険施設、保健医療サービス・福祉サービスの提供者との綿密な連携に努め、明るく家庭的な雰囲気のもと、地域や家庭との結びつきを重視した運営を行います。」である。~すべては利用者さんのために~を団是に尊厳を守り、ユニットケアの特性を活かして家庭的で豊かな暮らしを支えること。また、地域福祉の拠点として誰もが生きいきと暮らせる地域づくりに貢献することを目指している。
地域密着型特別養護老人ホームうねめの里はるひめは、2015(平成27)年4月に社会福祉法人郡山福祉会により開設した。運営方針は「1.施設は、入居者一人一人の意思及び人格を尊重し、地域密着型施設サービス計画に基づき、その居宅における生活への復帰を念頭に置いて、入居前の居宅における生活と入居後の生活が連続したものとなるよう配慮しながら、各ユニットにおいて入居者が相互に社会的関係を築き、自律的な日常生活を営むことを支援します。2.施設は、地域や家族との結びつきを重視した運営を行い、市町村、居宅介護支援事業者、居宅サービス事業者、地域密着型サービス事業者、介護保険施設その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する事業者との密接な連携に努めます。」である。一人ひとりの意思を尊重し、尊厳を守り、健やかに楽しい気持ちで暮らせるように、家族と共に穏やかな暮らしが継続できることを支援している。
特別養護老人ホームイル・ヴィラージュは、2018(平成30)年3月社会福祉法人健寿会により開設した。運営方針は「身体又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、自宅において困難な要介護者に対して、指定介護老人福祉サービスの提供をいたします。」である。「安全・快適・生きがい」をモットーに多彩な価値観の認識に努めて、入所者の意思と人格を尊重し質の高い生活を提供し、入所者が相互に自立をして社会的関係が築け、自宅と変わらぬ思いをもって日常生活が送れるよう努めている。
地域密着型特別養護老人ホーム逢瀬町ただの紀行は、2018(平成30)年11月に社会福祉法人藹々(あいあい)が開設した。運営方針は「1.高齢者の尊厳を支えるケアとは何かを常に考えて行動します。2.利用者の皆様が、家族・地域・同僚の方々と楽しくふれ合える環境づくりをしていきます。3.利用者の皆様に満足いただけるよう、サービスの質・専門性の向上に努めます。4.食生活の充実による利用者の皆様の健康増進・維持に資するよう、積極的な管理を行っていきます。5.非常災害・衛生管理・事故防止などの安全面では万全の配慮を取り、住環境の整備に努めます。6.情報開示に取り組み、健全で信頼を得られる施設運営を目指します。」である。多様な福祉サービスがその入所者の意向を尊重して総合的に提供されるよう創意工夫することにより、入所者個人の尊厳を保持しつつ、自立した生活を地域社会において営むことができるよう支援している。
特別養護老人ホーム小春日和は、2021(令和3)年7月に社会福祉法人むつき会が開設した。運営方針は「利用者一人一人の意思及び人格を尊重し、ケアプランに基づいた居宅での生活が維持・継続できるように配慮しながら、利用者が相互に社会的関係を築き、自律的な日常生活が送れるよう支援する。」である。居宅生活の維持継続を目的として、日常生活全般の援助や機能訓練、健康管理等のサービスを提供し、その人らしい生活が送れるよう支援している。