(2) 立地適正化計画

 立地適正化計画は、都市再生特別措置法第81条に規定され、都市計画区域内における住宅や都市機能増進施設(医療、福祉、商業施設等の居住者に必要な施設)の立地の適正化を図るための計画である。具体的には、それら立地の適正化に関する基本方針のほか、居住を誘導すべき区域(以下、「居住誘導区域」という。)及び都市機能増進施設を誘導すべき区域(以下、「都市機能誘導区域」という。)を設定するなど、人口減少の中にあっても一定のエリアに人口密度を維持し、生活サービスやコミュニティを確保するとともに、都市機能増進施設を維持・集約することにより、各種サービスの効率的な提供を図り、持続的なまちづくりを進めることを主旨とするものである。

 郡山市では、2015(平成27)年に策定された「郡山市都市計画マスタープラン2015」のもと、「郡山市立地適正化計画」を2019(平成31)年3月に策定したものの、その後の2020(令和2)年に、頻発・激甚化する自然災害への対応のため、同法が改正され、立地適正化計画へ防災対策等を盛り込むよう、「防災指針」の作成が位置付けられたことから、2021(令和3)年3月に、当計画の一部改定が行われた。

 その結果、計画では、1.『こおりやま広域圏の中心市に相応しいまち』、2.『地域特性を生かし都市と自然が調和したまち』、3.『安心して円滑に移動できる交通ネットワークが充実したまち』を都市づくりの目標とし、基本方針を「すべての市民が安心して暮らせる拠点と公共交通ネットワークの形成」と定め、既存ストックの有効活用を基本に、市民の多様なライフスタイルに応じた暮らし方が選択できる環境の提供を図っていくこととしている。計画の目標年次(計画期間)としては、「郡山市都市計画マスタープラン2015」に合わせ、2030(令和12)年と設定している。

 また、当計画において都市機能誘導区域としては、本市の中心的な役割の郡山駅から郡山市役所周辺にかけて「郡山中心拠点」を設定、更には、都市内3ヵ所(安積地区、富田地区、熱海地区)の主要な地区には、中心拠点を補完する「副次拠点」を設定している。なお、居住誘導区域は、都市機能誘導区域を含め、鉄道及びバス路線等の交通網の充実したエリアを設定しており、各区域の範囲は図6に示すとおりである。


図6 各誘導区域の設定
出所:『郡山市立地適正化計画』(2021)郡山市都市構想部都市政策課