(3) 中心市街地活性化基本計画

 中心市街地活性化基本計画は、中心市街地の活性化に関する法律の規定のもと、地域住民等の生活と交流の場であることを踏まえつつ、地域における社会的、経済的及び文化的活動の拠点となるにふさわしい魅力ある市街地の形成を図ることを基本に、推進すべき所要の施策等を取りまとめる計画である。

 郡山市では、1998(平成10)年の同法の制定を契機に、全国に先駆け第1号の「郡山市中心市街地活性化基本計画」を同年に策定し、計画に位置付けた「郡山駅西口第一種市街地再開発事業」や「郡山中町第一地区第一種市街地再開発事業」、「郡山南拠点土地区画整理事業」など、市街地の整備、改善を図る事業を進めるとともに、TMO事業として「なかまち夢通りの整備」や「駅前大通りアーケード建替事業」を実施してきた。

 そうした中、2006(平成18)年、国においては、特に地方部において急速に進展する少子高齢化や首都圏等の大都市への人口、産業の一極集中等の新たな環境変化に対応した、いわゆる「まちづくり三法」を改正し、「集約型都市構造の推進」を軸とする方向性を示したところである。郡山駅周辺における中心市街地においても、当時、空き店舗の増加や歩行者数の減少、大型店舗の撤退などが相次ぎ、中心市街地活性化の持続的な取り組みの方針を早急に定めることが求められていた。こうした状況を踏まえ、2009(平成21)年には、既に市街地において整備が図られてきた大規模商業施設や郡山駅東口エリアの土地利用の現状等も鑑み、新たに計画を改定したところである。

 それでもなお、中心市街地を取り巻く社会経済情勢は厳しく、人口減少をはじめ、産業のボーダーレス化、インフラの老朽化、行政経営の効率化等への対応、時代の要請に応じた取り組みが急務となっていたため、2013(平成25)年から、当計画の見直しに着手、市街地現況調査を実施するとともに、有識者の意見も聴取しながら、中心市街地における今後の方向性を示した「郡山市中心市街地機能活性化ビジョン」を2019(平成31)年3月に策定している。

 当計画では、「誰もが都市的サービスを受けられる拠点づくり」を基本方針とし、三つの目標のもと、民間投資を呼び込む仕組みづくりを掲げ、郡山駅を中心に半径1kmを目安に対象区域を設定している。

・目標1 「都市機能が集積し、ヒト・モノ・情報が活発に交流する交通結節点の形成」

・目標2 「“こおりやま広域圏”の玄関口として質の高い投資を惹きつける個性や賑わいあふれる場の創出」

・目標3 「ソーシャルデザインを重視したインフラ施設整備・維持管理コストの縮減と各種公共サービスの効率性の向上」

 なお、計画の目標年次(計画期間)としては、上位計画である「郡山市まちづくり基本指針」の期間に合わせ、2025(令和7)年までとしている。


表3 郡山駅周辺等の税収割合
出所:『郡山市中心市街地機能活性化ビジョン』(2019)
郡山市都市構想部都市政策課


図7 計画区域
出所:『郡山市中心市街地機能活性化ビジョン』(2019)
郡山市都市構想部都市政策課