市街地開発事業は、「土地区画整理事業」や「市街地再開発事業」など、市街地を面的、計画的に開発整備する事業であり、土地収用や換地処分、権利変換等の手法により、公共施設や宅地の整備を一体的に行うものである。
郡山市においては、太平洋戦争時の空襲により、多くの尊い人命が失われ、市街地の一部で焼失・倒壊の被害が生じている。こうした戦災からの復興事業として、1946(昭和21)年4月に国の戦災復興都市の指定を受け、事業が始まったのが、郡山駅前地区、駅裏地区及び酒蓋地区の3ヵ所の土地区画整理事業である。それから約75年が経過し、土地区画整理事業の実施は、本市においても、より健全な市街地の形成において、大きな実績をあげてきたといえる。
一方で、人口減少や少子高齢化に伴う市街地内での空き地、空き家の増加、いわゆる都市のスポンジ化が進行する課題や、防災面における危険な市街地の対応など、これまでとは異なる市街地整備のあり方が求められている部分もある。
国においては、これからの目指すべき市街地のあり方等について検討するため、「今後の市街地整備のあり方に関する検討会」を設置し、2020(令和2)年3月に、報告書が取りまとめられている。その中においては、土地区画整理手法による都市基盤の柔軟な再構築の推進を図るために、地区ごとの課題や事業の実現可能性に応じて公共減歩を伴わない事業や、事業目的や地域の実情に応じた柔軟な区域設定など、既成概念にとらわれない「柔らかい区画整理」の考え方が示されており、今後の活用が期待されている。