(1) 土地区画整理事業

 土地区画整理事業は、土地区画整理法に基づき、道路、公園等の公共施設の整備・改善及び宅地の利用の増進を図るため、土地の区画形質の変更、公共施設の新設や変更等を行うことにより、健全な市街地の造成を目的としている。

 郡山市では、戦後の急速な都市化への対応をはじめ、健全な市街地の造成を図るため、戦災復興事業を含む土地区画整理事業により、2021(令和3)年度時点、42地区、約1,851haの整備が行われており、このうち、37地区、約1,620haで事業が完了している。施行中の事業も含めると市街化区域の面積のうち、おおむね約27%が土地区画整理事業により、基盤整備が行われている。戦後の旺盛な土地需要に伴い、快適で安心・安全な生活環境の整備として果たしてきた役割は大きい。

 2012(平成24)年から2021(令和3)年までの10年間においては、図10に示した6ヵ所(中谷地、富田東、八山田第二、荒井北井、喜久田東原、郡山西部第一工業団地第一工区)の事業が完了したところであり、また、現在施行中の地区は、富田第二、日和田、徳定、伊賀河原、大町地区の5ヵ所である。この中から、代表的な地区の概要、進捗等について以下に示す。


図10 事業箇所

表4 土地区画整理事業の施行状況
施行主体 2021年まで完了地区 施行中の地区
地区数 面積(ha) 地区数 面積(ha) 地区数 面積(ha)
戦災復興 3 115.3 3 115.3
市施行 15 841.7 4 153.6 19 995.3
組合施行 9 433.3 1 77.2 10 510.5
個人施行 10 230.0 10 230.0
37 1620.3 5 230.8 42 1851.1

 


a 伊賀河原土地区画整理事業

 伊賀河原地区は、郡山駅から北西約1.5kmに位置し、中心市街地と周辺部を結ぶ交通体系の確立と計画的な市街地整備が急がれている地区である。区画整理事業により、地区内の都市計画道路の整備を中心に、良好な宅地を面的に開発整備し、快適で調和のとれたまちづくりを目的とした市施行の事業であり、1995(平成7)年から進められている。

 また、当事業は、都市計画事業として国の社会資本整備総合交付金を活用し、整備が進められている。なお、事業の概要等は、表5のとおりである。


図11 事業区域

表5 事業概要
主な内容
事業名 県中都市計画事業伊賀河原土地区画整理事業
施行者 郡山市
面積 約40.2ヘクタール
事業計画決定 1995(平成7)年2月22日
施行期間 1994(平成6)年度~

 


b 徳定土地区画整理事業

 徳定地区は、郡山駅から南に約5kmに位置し、隣接する日本大学工学部等の立地に関連した急速な宅地化の進行により、健全な市街地整備が急がれている地区である。区画整理事業により、地区内の道路や河川等といった公共施設の整備に加え、良好な宅地を面的に開発整備し、安全で快適なまちづくりを目的とした市施行の事業であり、1995(平成7)年から進められている。当地区内では、以前より課題であった都市計画道路「笹川大善寺線」の整備が進められ、完成が4車線のところ、暫定2車線により、2019(令和元)年9月15日に供用開始された。

 また、当事業は、都市計画事業として国の社会資本整備総合交付金を活用し、整備が進められている。なお、事業の概要等は、表6のとおりである。


図12 事業区域

表6 事業概要
主な内容
事業名 県中都市計画事業徳定土地区画整理事業
施行者 郡山市
面積 約49.7ヘクタール
事業計画決定 1995(平成7)年2月7日
施行期間 1994(平成6)年度~

 


c 大町土地区画整理事業

 大町地区は、郡山駅西口に隣接し、恵まれた立地条件を有するにも関わらず、地区の中心にある都市計画道路が未整備となっているほか、地区内では老朽化した建物等の立地や空き地の点在も目立ち、土地の高度利用と都市機能の更新が急がれている地区である。区画整理事業により、地区内の都市計画道路の整備と併せ、宅地の有効利用、建物の耐震・不燃化を促進し、郡山市の玄関口にふさわしい良好な市街地形成を目的とした市施行の事業であり、2005(平成17)年から進められている。

 また、当事業は、都市計画事業として国の社会資本整備総合交付金を活用し、整備が進められている。なお、事業の概要等は、表7のとおりである。


図13 事業区域

表7 事業概要
主な内容
事業名 県中都市計画事業大町土地区画整理事業
施行者 郡山市
面積 約2.2ヘクタール
事業計画決定 2005(平成17)年12月2日
施行期間 2005(平成17)年度~