2020(令和2)年度における郡山市の都市公園数は、表1に示すとおり、320箇所、面積340.2haであり、郡山市都市公園条例第2条の2に規定する住民1人当たりの公園の敷地面積では、都市計画区域内が10.6平方メートル/人、市街化区域内が6.0平方メートル/人となり、ともに条例の基準を満たしている。公園として存在する都市アセットが標準値を確保している状況である。しかしながら、都市公園の約半数が、供用開始から30年以上経過し、公園施設の経年劣化やニーズの多様化など、各種課題が顕在化している。
都市公園政策については、これまでの経済成長や人口増加等を背景として緑とオープンスペースの量の整備を重視してきた。一方で、社会が熟成化し、市民の価値観も多様化する現代、社会資本も一定程度整備されていることから、緑とオープンスペースの政策は、都市公園の確保や緑地の保全といった視野に留まらず、都市のため、地域のため、市民のために価値を引き出すことが重要となってきている。
このため、国は、これら視野を広げて各種施策に取り組むことを目的に、2014(平成26)年11月に「新たな時代の都市マネジメントに対応した都市公園等のあり方検討会」を設置し、議論を重ね、2016年(平成28)年5月に最終報告書として「新たなステージに向けた緑とオープンスペース政策の展開について」を取りまとめている。この中では、少子高齢化・人口減少社会へ突入する中、厳しい財政制約の中で社会資本の効率的な整備、老朽化した施設の適切なメンテナンス等を課題として、都市政策全体が転換点であることを踏まえ、緑とオープンスペースの政策は、社会状況の変化を好機と捉え、より一層住みやすく、持続可能な都市への再構築を全国各地で進めるため、新たなステージへ移行していくべきであるとしている。
なお、具体的な視点としては、1.ストック効果をより高める(都市公園の活性化、再編成等)、2.民との連携を加速する(民間のビジネスチャンスの拡大と都市公園の魅力向上)、3.都市公園を一層柔軟に使いこなす(公園の個性を引き出す工夫)が示されている。
種類 | 種別 | -1969 | 1970-1979 | 1980-1989 | 1990-1999 | 2000-2009 | 2010- | 計 |
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50年以上 | 40年以上 | 30年以上 | 20年以上 | 10年以上 | 10年未満 | |||
住区基幹公園 | 街区公園 | 7 | 57 | 54 | 39 | 22 | 9 | 188 |
近隣公園 | 2 | 4 | 2 | 2 | 2 | 3 | 15 | |
地区公園 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | |
都市基幹公園 | 総合公園 | 0 | 2 | 2 | 1 | 1 | 0 | 6 |
緩衝緑地等 | 特殊公園 | 0 | 3 | 1 | 5 | 3 | 1 | 13 |
都市緑地 | 0 | 6 | 9 | 37 | 39 | 0 | 91 | |
緑道 | 0 | 1 | 3 | 1 | 0 | 0 | 5 | |
計 (下段:割合) |
10 (3.1%) |
73 (22.8%) |
71 (21.2%) |
85 (26.6%) |
68 (21.3%) |
13 (4.1%) |
320 (100%) |
出所:郡山市緑の基本計画(2021)郡山市都市構想部公園緑地課 |