(3) 少年犯罪

 少年非行(少年犯罪)は、全国的に減少傾向にあり、福島県内でも2004(平成16)年以降、これまで18年連続して減少した。

 郡山市においても、若干の増減はあったものの、県内同様減少し続け、2021(令和3)年には戦後最少を記録した。一方、2021(令和3)年6月、10代の少年が銃を奪おうと大竹銃砲店に押し入り、79歳の従業員男性を刃物で刺すという殺人未遂事件、2018(平成30)年7月、郡山市の高校3年生(17歳)がなりすまし詐欺の共犯として警視庁に逮捕された事件、2018(平成30)年11月、郡山市の私立高校3年生(17歳)が現金600万円をだまし取り埼玉県警察に逮捕されるという特異な事件が発生している。少年犯罪は、減少傾向にあるとは言え、犯罪の凶悪化、粗暴化とともに、2021(令和3)年には触法少年の割合が増加傾向を示すなど、依然、厳しいものがある。(図5、図6)


図5 福島県内の少年非行


図6 郡山警察署・郡山北警察署での少年非行

 少年非行の減少要因は、少子高齢化による少年人口の減少や刑法犯罪総数の減少、また、東日本大震災、新型コロナウイルス感染症による屋外活動自粛等の影響に加え、以下の施策が非行防止に効果を挙げているものと考えられる。 


a 児童クラブの拡充と相談体制の整備

 放課後児童クラブは、2014(平成26)年までは公設が29クラブ33教室、民間は3クラブ3教室前後で運営されてきたが、2015(平成27)年の「子ども・子育て支援新制度」施行を契機に徐々に整備され、2021(令和3)年には、公設で50クラブ76教室(郡山市立小学校51校中50校に開設)、民間クラブは19クラブ20教室と増設され少年の放課後の居場所づくりが拡充された。また、2019(令和元)年には郡山市子ども条例を施行し、学校、関係機関・団体と連携した活動とともに少年相談の環境整備が図られた。


b 街頭補導と有害環境浄化活動

 少年警察補導員、郡山市少年センター補導員等による街頭補導活動、また地域ボランティア団体の見守り活動や郡山駅前地区少年環境浄化推進委員会による有害環境浄化活動、郡山地区保護司会が毎年開催する非行防止研究集会、学校等関係機関・団体が開催する非行防止教室や薬物乱用防止教室の開催など、関係機関、団体等の少年非行防止に関するたゆまぬ努力があった。