(6) 公共下水道汚水処理施設整備事業

 下水道事業は、中心市街地(排水面積123ha)の浸水防除を主目的として、1958(昭和33)年度に着手した。1977(昭和52)年度には、福島県が事業主体となり、郡山市を含む2市3町(須賀川市、矢吹町、鏡石町、本宮町(現在の本宮市))を対象とした「阿武隈川上流流域下水道(県中処理区)事業計画」に基づき、事業計画の変更を行なった。これにより、単独公共下水道計画区域(郡山処理区)562.6haの他に、流域関連公共下水道計画区域(県中処理区)7,972.4haの区域拡大を行なった。さらに、1988(昭和63)年10月には流域下水道県中浄化センターが供用開始された。その後、早急な下水道整備が求められていた磐梯熱海温泉のある流域関連下水道計画区域(熱海処理分区)109haのうち、緊急に整備を要する40haについて、フレックスプラン事業(ニーズに柔軟かつ機動的に対応できる下水道整備方式)として1990(平成2)年度から着手した。当区域の汚水を受け入れる県中流域下水道熱海幹線が整備されるまで、暫定的に中間的な処理施設(郡山市熱海浄化センター)を設置して、1992(平成4)年4月に供用を開始した。その後、熱海幹線が整備されたことに伴い、2000(平成12)年4月から熱海浄化センターを熱海中継ポンプ場に改造し運転している。

 また、汚水処理施設整備事業の一元化を図って、効果的・効率的に事業を進めるため、2001(平成13)年度に農業集落排水事業、2003(平成15)年度には合併処理浄化槽設置事業を下水道部(現上下水道局)所管とした。さらに、2008(平成20)年4月、単独公共下水道区域(郡山処理区)の汚水を流域下水道幹線へ接続した。

 下水道普及率の向上を図るため、公共下水道計画区域外の17地区で農業集落排水事業としての下水道整備が進められ、2009(平成21)年度をもって本整備事業は完了した。

 2021(令和3)年度末時点においての汚水処理人口普及率が91.3%、その水洗化率(接続可能人口に対する接続済み人口割合)は93.6%(約27万2,000人)となっている(表3)。

表3 汚水処理人口普及率及び水洗化率
年度 2012 (H24) 2013 (H25) 2014 (H26) 2015 (H27) 2016 (H28) 2017 (H29) 2018 (H30) 2019 (H31,R元) 2020 (R2) 2021 (R3)
公共下水道
(人)
230,773 231,997 234,873 236,242 237,781 237,183 237,161 237,082 237,202 237,375
71.0% 71.2% 72.0% 72.2% 72.9% 73.1% 73.5% 73.6% 74.0% 74.5%
農業集落排水
施設(人)
13,459 13,242 13,106 12,900 12,719 12,504 12,384 12,192 11,909 11,695
4.1% 4.1% 4.0% 3.9% 3.9% 3.9% 3.8% 3.8% 3.7% 3.7%
合併処理
浄化槽(人)
38,424 38,723 39,561 40,313 40,321 40,067 40,575 41,159 41,538 41,809
11.8% 11.9% 12.1% 12.3% 12.4% 12.4% 12.6% 12.8% 13.0% 13.1%
接続可能人口
合計(人)
282,656 283,962 287,540 289,455 290,821 289,754 290,120 290,433 290,649 290,879
行政人口
(人)
324,905 325,654 326,275 326,987 326,088 324,223 322,860 321,905 320,406 318,526
汚水人口
普及率(%)
87.0 87.2 88.1 88.5 89.2 89.3 89.9 90.2 90.7 91.3
全国平均
普及率(%)
88.1 88.9 89.5 89.9 90.4 90.9 91.4 91.7 92.1 92.6
接続済み
人口(人)
267,923 269,433 272,913 274,740 275,270 272,816 273,494 274,026 273,644 272,172
水洗化率
(%)
94.8 94.9 94.9 94.9 94.7 94.2 94.3 94.4 94.1 93.6
※ 各事業ごとの普及率は、行政人口に対する人口割合である。