本市の重要な水道水源(水源二法成立:1994(平成6)年3月)となっている猪苗代湖の水質保全対策・湖南町の生活環境改善に資するため、1992(平成4)年度から「湖南地区特定環境保全公共下水道事業」に着手した。
1994(平成6)年度から2013(平成25)年度までに、舟津地区、浜路地区、横沢地区、舘地区、中野地区、三代地区、福良地区、赤津地区、小枝地区、と順次下水道管路網の整備を進め、終末処理場である郡山市湖南浄化センターは、1995(平成7)年9月、国の「新技術活用モデル事業」の認定を受け、「好気性ろ床を用いた循環式硝化脱窒法」による処理場として建設され、2002(平成14)年に供用を開始した。
2013(平成25)年度末までの20年間で、全体計画180haのうち、約8割となる144.5haが完了し、1,098世帯で3,065人が下水道を利用できる環境となった。
2014(平成26)年度から2015(平成27)年度までの2年間は、下水道事業計画変更のため、整備を行わなかったが、2016(平成28)年度から2020(令和2)年度までの5年間で、外出地区と中浜地区の下水道管路網の整備を行い、2020(令和2)年度末時点で、整備済面積が累計155.5haとなり、変更後の事業計画面積174.5haに対する整備率が89.1%となった。2021(令和3)年度は、地域との調整のため整備を見合わせている。
また、循環型社会に貢献する事業にも取り組んでいる。2016(平成28)年10月に、日本大学工学部と下水道事業における連携協力に関する協定を締結し、同学部の汚水処理技術の実証実験の場として湖南浄化センター敷地内の一部を貸与し、2017(平成29)年8月に下水処理をグリーン化する「ロハスの花壇」実証実験を開始した。
湖南浄化センターから排出される脱水汚泥については、供用開始から、脱水ケーキとして場外搬出していたが、2015(平成27)年に「発生汚泥等が燃料又は肥料として再生利用されるよう努めなければならない」とする下水道法第21条の2第2項が規定されたことから、2017(平成29)年度より、年間約100t発生する汚泥のすべてを民間の堆肥化施設へ運搬し、肥料として再利用している(写真11)。