本市の下水道事業は1958(昭和33)年に整備が始まり、耐用年数50年を超過する管きょが今後増加していく状況にある。特に駅前周辺の合流区域の管きょについては、老朽化が著しく、破損による道路陥没や閉塞等が頻繁に発生している。
また、処理場やポンプ場等の施設については、1970(昭和45)年に旧郡山市浄化センターが供用開始され、その後、雨水ポンプ場や汚水中継ポンプ場等が建設されてきた。築造年数が古い施設については機械・電気等の設備が耐用年数を超過する施設が増加してきている状況である。
今後さらに、管きょ及び施設等の下水道ストックの老朽化が進行し、維持管理、改築・更新費用の増加が予想されることから、「発生対応型」から「予防保全型」の管理を進めるため、2010(平成22)年度より長寿命化事業に着手し、2016(平成28)年度に創設された「国のストックマネジメント支援制度」を活用し計画的に改築修繕を実施している。
管きょの改築については、郡山駅前周辺の合流区域のうち、最も古い整備区域である中部第一排水区の改築が、2016(平成28)年度に完了した。次に整備年度の古い北部第二排水区が2018(平成30)年度に、北部第三排水区が2019(令和元)年度に完了した。
ポンプ場・処理場の施設についても、市内6ヵ所の雨水ポンプ場の中で、築造年数が一番古く、1977(昭和52)年に供用を開始した梅田ポンプ場は、受変電設備等の電気設備や雨水ポンプ等の機械設備の経年劣化が顕著になってきたため、2014(平成26)年度から2016(平成28)年度の3ヵ年計画で長寿命化改築工事を実施した。次に築造年数が古く、1990(平成2)年に供用を開始した水門町ポンプ場は、受変電設備等の電気設備や雨水ポンプ等の機械設備の耐用年数が大幅に超過し、経年劣化が顕著になってきたため、2019(令和元)年度から2021(令和3)年度の3ヵ年計画で長寿命化改築工事を実施した。
また、2002(平成14)年に供用を開始した湖南浄化センターは、中央監視制御装置等の電気設備や原水ポンプ等の機械設備の経年劣化による老朽化が顕著になってきたため、2015(平成27)年に湖南浄化センター長寿命化計画を策定し、2016(平成28)年度から2017(平成29)年度の2ヵ年計画で長寿命化改築工事を実施した。