市営住宅の募集・申込みをみると(図5)、2007(平成19)年の入居収入基準と家賃制度の住宅困窮者に配慮した変更以降、減少していた申込み倍率は、2012(平成24)年の4.3倍から1~2倍程度へとさらに減少傾向を示し、2019(令和元)年と2020(令和2)年では1倍を下回っている。
一方、募集戸数は2013(平成25)年から増加し、2014(平成26)年からの3年間は200戸数以上を募集していたが、その後は150戸数程度と安定した推移を示している。管理戸数に対する募集戸数の割合(図6)は、2012(平成24)年の3.4%から2021(令和3)年では4.5%へと上昇傾向を示している。とくに2014(平成26)年からの2年間では7.0%程度と高く、募集戸数の増加が影響している。募集率が5%程度での推移をみせており、以前よりも入居者の入居期間の長期化傾向が改善されていることがうかがえる。子育て世帯、高齢者・障がい者世帯など住宅確保に配慮が必要な世帯における居住の安定確保として、今後も市営住宅はセーフティネットの役割を果たすことが求められている。郡山市公共施設等総合管理計画に基づく市営住宅の長寿命化とともに、PPP/PFI(民間活力の活用)等による市営住宅の再整備も施策として掲げており、市営住宅を取り巻く状況は大きく変貌するであろう。