4 専門職団体による支援

 福祉関係専門職団体の活動に目を向けると、2011(平成23)年3月の東日本大震災発災後の4月から複数の団体が避難者の支援に動き出している。郡山市にはいくつかの団体が事務所を置いていることもあり、(一社)福島県社会福祉士会、(一社)福島県介護支援専門員協会、福島県医療ソーシャルワーカー協会、福島県精神保健福祉士会、(一社)福島県理学療法士会、(一社)福島県作業療法士会の6つの団体が避難者の支援のための組織化を行っている。6団体で「相談支援専門職チーム」という名称を決め、それぞれの団体の会員に連携、協力して県内各地域で避難者の支援にあたることとした(図1)。それぞれの団体の会員で約4,000名の規模となった。2011(平成23)年4月からビッグパレットふくしまでの相談支援活動をはじめ、その後県内各地での支援活動へ広がっていった。このボランティアとして始まった活動は同年5月から、福島県からの委託事業となり(「福島県地域支え合い体制づくり事業(被災者生活支援等)」)7年間継続して行われた。相談支援専門職チームの活動は、避難所での個別相談や介護保険サービスの適用、市内の関係機関との連携、応急仮設住宅でのニーズ調査等を行った。また、ビッグパレットふくしま内では、福島県弁護士会や東京弁護士会等とソーシャルワーカーによる「生活と法律の合同相談会」が行われたが(弁護士と社会福祉士等の専門職が一緒に相談を受ける)、ビッグパレットふくしまの避難所が閉鎖になってから福島県弁護士会郡山支部で週1回程度の合同相談会を2012(平成24)年まで実施した。


図1:2011(平成23)年4月 作成「相談支援専門職チーム」

 郡山市内の活動では避難所閉鎖後、2011(平成23)年12月に喜久田町の応急仮設住宅内に双葉町社会福祉協議会の協力で「ソーシャルワーカー室」を設置して職能団体の会員が週2回交代で相談支援活動を行った。その後2012(平成24)年6月には、富田町の応急仮設住宅内に「ソーシャルワーカー室」を開設した。富田町の仮設住宅では、郡山市社会福祉協議会のLSA(ライフサポートアドバイザー)も活動に参加した(その後富田町の仮設住宅に集約された)。ソーシャルワーカー室では、個別相談や訪問等により相談支援を継続して行い、ソーシャルワーカー室での活動をはじめてから3年後には、県医療ソーシャルワーカー協会、県精神保健福祉士会、郡山市社会福祉協議会との活動となった。ここでの活動は2017(平成29)年3月末まで継続して行われた。