7 仮行政機関のその後

 東日本大震災後に郡山市に仮庁舎を設置した町村は、富岡町、川内村、双葉町の3町村である。

 富岡町は住民の避難所となったビッグパレットふくしまの敷地内に、2011(平成23)年4月に富岡町役場郡山出張所を開設した。建物はプレハブで、間取りは7.2m×3.6mの小規模なものであった。その後、郡山市大槻町西ノ宮に建築面積511平方メートル、延べ床面積990平方メートルの鉄骨プレハブ2階建ての仮庁舎を2011(平成23)年11月に開設し、100名余の職員が業務を行った。その後、2021(令和3)年3月に富岡町役場郡山支所は、郡山市大槻町字原ノ町に移転し、20名程度の職員で総務係、健康づくり係、住民支援係、業務係、包括支援センター、社会福祉協議会等の業務に当たっている。


図11 富岡町役場郡山支所(左が2011年に大槻町西ノ宮に開設した支所/右が2021年に大槻町字原ノ町に移転した支所)

 川内村は、避難先であったビッグパレットふくしま内で、2011(平成23)年3月に業務を開始し、二次避難場所支援等の避難者支援、安否確認、り災証明書発行等の業務に当たった。その後、富岡町同様、ビッグパレットふくしまの敷地内に、2011(平成23)年4月に川内村役場郡山出張所を開設した。鉄骨造平屋建てで、規模は延べ床面積106平方メートルであった。その後、2012(平成24)年3月に川内村役場本庁に戻るまで、ここで職員70名が応急仮設住宅設置・入居支援、借り上げ住宅入居支援、支援物資の提供等の避難者支援、安否確認、義援金の配分、り災証明書発行等の業務に従事した。

 双葉町は、本庁機能を2011(平成23)年3月に避難先である埼玉県加須市に移転した。避難所・移転先として、廃校であった旧埼玉県立騎西高等学校が使用された。また双葉町は、同年10月、郡山市朝日に双葉町役場福島支所を開設している。建物は農林水産省郡山事務所を使用した。ここで21名の職員が避難者約3,800人の生活支援を行い、現在では双葉町役場郡山支所と名称を変更し、5名程度の職員で、主には住民窓口業務を行っている。その後の状況を参考として記すと、双葉町は、延べ床面積3,146平方メートル、地上2階の仮設庁舎を双葉町駅東側に2022(令和4)年6月完成させ業務を開始している。

(柴﨑 恭秀)