(1) 原子力災害対策アドバイザーの活動

 2011(平成23)年12月2日に、放射性物質の除染や健康管理について専門的立場から助言を請うため、4名の専門家に「原子力災害対策アドバイザー」を委嘱し、その後1名追加され5名体制になった。行政側との定期的な懇談、行政の放射線対策事業に関する助言、現地調査と解析、市職員や教師や市民向け講演会の講師などの活動が行われた。(『郡山市史 続編4』第二編、第4章第5節三、5)。

 2012(平成24)年4月1日には、安積疏水の開さくと安積開拓に貢献した大久保利通のひ孫で、アドバイザーを務める大久保利晃放射線影響研究所理事長が講師となり、市民ら約120人を対象に放射線の原理と健康影響について解説した(『福島民報』2012年4月15日)。2012(平成24)年6月11日には、小中学校の教師や市民など約200人を対象に、アドバイザーの東京工業大学助教の富田悟氏を講師に放射線の基礎事項や原発事故で放出された放射性物質、放射線の現状について理解を深めた(『福島民友』2012年6月13日)。

 アドバイザーによる講演会は、市職員、保健師・保育士、消防職員、市保健委員、小中学校長、教職員、小中学生と保護者、自治会長、市民などを対象にそれぞれ企画され、2011(平成23)年度から2016(平成28)年度まで合計20回開催された(郡山市(2021年)(『郡山市の原子力災害対策第16版』)。