チョルノービリ(チェルノブイリ)原発事故では、子どもの乳歯に放射性物質が取り込まれ汚染が引き起こされたことが報告されている。福島県歯科医師会と奥羽大学と東北大学の三者で、2014(平成)26年から県内と県外の市民から永久歯の交換時期に脱落する乳歯の提供を受け、これまでに約7,000本を超える乳歯に取り込まれた放射性物質汚染の状況を調べた。
その結果では、収集した乳歯には放射性ストロンチウムや放射性セシウムが認められるが、福島第一原発事故に由来するものではなく、過去の核実験や原発事故に由来するものと考えられた。福島県内と他県から集めた歯での放射線量の違いは認められなかった。
この研究事業は現在も継続中で、今後原発事故後に形成された乳歯が収集されることから、さらなる解明が期待されている(福島歯科医師会(2022年)『福歯会報』2・3月号「ぱのらま」、『日本経済新聞電子版』2021年5月20日<https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP610679_Q1A520C2000000/>、『東北大学プレス発表』<https://www.dent.tohoku.ac.jp/news/file/20210520_01.pdf>)。