3 本市の汚染状況と事故直後の空間線量率の推移

(1) 本市の汚染状況

 福島第一原子力発電所から2011(平成23)年3月15日に放出された放射性物質は放射性雲(プルーム)となり、昼近くから徐々に西に流され本市上空に飛来し、夜半の雨により地表面に落下し、市街地や土壌等を広範囲に汚染した。


(2) 本市の空間線量率の分布状況

 国が2011(平成23)年4月12日から16日にかけて実施した調査結果によれば本市の空間線量率の分布状況は、市の中央部分が南北方向に高く、東と西は低い状況であった。空間線量率が比較的高い地区について、7月20日から8月13日まで国、県、市による自動車走行サーベイモニタリングを行ったところ最大値は池ノ台で2.81μSv/h、最小値は中田町柳橋で0.13μSv/hであった。

 (郡山市(2011年)『郡山市ふるさと再生除染実施計画』)


(3) 食品に関する摂取制限

 2011年(平成23年)3月17日、国(厚生労働省)は、食品に関する放射性物質の摂取制限に関する指標値を食品衛生法上の暫定基準値(一般食品100Bq/kg等)として設定した。これにより、農畜産物等における摂取・出荷制限も長期にわたり実施されることとなった。

 (厚生労働省『厚生労働省公式ホームページ』「食品中の放射性物質への対応―さらに詳しい情報」<https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21528.html>参照2023年10月2日)


(4) 本市の水道水の汚染及び摂取制限

 本市の水道水について、国は2011年(平成23年)3月21日に検査し、結果を3月24日に公表した。放射性セシウムは不検出であるも、豊田浄水場で150Bq/lの放射性ヨウ素が検出され、これにより乳児への摂取制限を行った。

 水道局浄水場においては、活性炭処理による放射性ヨウ素の除去を行い、3月25日までに3日連続で基準値を下回ったことにより、乳児の摂取制限を解除した。

 さらに、市内4ヵ所(豊田、荒井、堀口、熱海)の浄水場の放射性物質について、摂取制限以降毎日モニタリングを実施してきたが、4月17日以降はすべて不検出となり、安全な水道水が確保された。なお、市内4ヵ所の簡易水道(湖南西部、湖南東部、熱海中山、柳橋)については、4月5日から検査を開始したが、すべて不検出であった。

(郡山市(2023年3月)『郡山市公式ホームページ』「郡山市の原子力災害 第18版」<https://www.city.koriyama.lg.jp/uploaded/attachment/57930.pdf>)