(1) 池ノ台モデル除染
2012(平成24)年2月23日から2012(平成24)年3月28日までの間、市内で比較的空間線量率の高かった池ノ台地区の住宅所有者から全面的な協力を受け、モデル除染を実施した。雨樋清掃、屋根の吸引式高圧洗浄、庭については芝や、表土の除去と庭木の剪定を行い、実施前後の空間線量率を詳細に測定し、除染により室内の空間線量率が約半分に低減するという結果が得られた。なお、除染で発生した芝や土壌については所有者の同意を得て、敷地内に埋設した。
(2) 池ノ台面的モデル除染
モデル除染で得られた様々な除染の効果に基づき、2012(平成24)年6月28日から8月11日にかけて、2つの街区107件の面的モデル除染へと移行した。実施にあたり、地区説明会を市公会堂で開催し、除染作業の詳細について説明した。かつてない私有財産内での作業であるため、作業手順を詳細に説明し、同意を得たうえで、事前調査や立ち合いを経て作業に着手した。
作業内容は、雨樋清掃、コンクリートたたき等平面部の吸引式高圧洗浄、表土除去、砂利の除去、庭木の剪定であった。
最大の課題は、除染により発生する除去土壌等の保管であったが、大規模な仮置場の確保は困難であり、一刻も早い除染を進めるため、やむを得ず敷地内での現場保管という手法に理解を求めた。保管にあたっては、敷地の広さが様々であり地下埋設での一時保管を基本としながらも、地下埋設が困難な敷地の場合、プラスチック製ドラム缶(コンクリートリングとドラム缶上部への良質な山砂で遮蔽)での地上保管という方法で進めた。
(郡山市(2023年3月)『郡山市公式ホームページ』「原子力災害 第18版」<https://www.city.koriyama.lg.jp/uploaded/attachment/57930.pdf>参照2023年10月6日)