一般住宅の除染については、2012(平成24)年6月から「ふるさと再生除染実施計画」に基づき池ノ台の周辺地域からスタートした。除染の対象は建物、駐車場、空地等であり事前に同意を得られた土地、建物について実施した。作業内容は雨樋清掃、庭(落ち葉除去、表土除去、芝の深刈り等)、庭木の剪定、砂利の除去、コンクリートたたき等の吸引式高圧洗浄等であった。なお、屋根については、モデル除染の検証の結果、室内の空間線量率の低減効果が限定的であり、すでに雨などにより放射性物質が洗い流されていることや、作業により部材を損傷させる危険性があることから陸屋根以外は除染をしないこととし、迅速化を図り実施区域を拡大した。
最大の課題は除去土壌等の保管方法であったが、住民の理解を得て敷地内での現場保管方式により実施した。現場保管の方法は1.地下保管(敷地内に穴を掘り地面の下に保管できる場合)、2.地上保管(敷地内に地下保管の穴が掘れない場合、プラスチック製ドラム缶に除去土壌等を入れ、放射線を遮蔽するため周囲をコンクリートリングで囲う方式)で進めたが、地上保管容器については、実証実験を重ね小型のコンクリートボックスの導入など敷地の状況に柔軟に対処する方法を取り入れながら展開した。以降、「ふるさと再生除染実施計画」に基づく住宅除染は2016(平成28)年度に完了(追加同意分を含む)し、実施件数は98,485件であった。
(郡山市(2023年3月)『郡山市公式ホームページ』「原子力災害 第18版」<https://www.city.koriyama.lg.jp/uploaded/attachment/57930.pdf>参照2023年10月6日)