国(環境省)は、中間貯蔵施設について、2011(平成23)年10月に基本的考え方(ロードマップ)を策定以降、双葉郡8町村及び県と種々協議を重ね、更には登記簿上2,360人という膨大な数の権利者との調整を経て、2017(平成29)年10月本格稼働に至った。規模は、全体面積1,600ha(民有地1,270ha(約79%)、公有地330ha(約21%))であり、福島第一原子力発電所を取り囲む形で大熊町、双葉町に整備された。
(環境省『中間貯蔵施設情報サイト』「中間貯蔵施設の概要」<http://josen.env.go.jp/chukanchozou/about/>参照2023年10月11日)
(1) 試験輸送(パイロット輸送)の開始
国(環境省)は、本格輸送において大量の除去土壌等を輸送する段階に備え、安全かつ確実な輸送の実施を確認する目的で試験輸送(パイロット輸送)を開始し、本市においては、2015(平成27)年7月27日から9月9日の間、試験輸送(パイロット輸送)を行った。薫、安積第二、高倉小学校に保管されていた除去土壌等を中間貯蔵施設予定地内に設置する保管場へ輸送した。高倉小学校は、大型ダンプの乗り入れが困難なため、日和田町の県中浄化センターへ端末輸送を行ったのち中間貯蔵施設予定地内の保管場へ輸送するという2段階での輸送を行った。
(2) 本格輸送への移行
試験輸送(パイロット輸送)を経て、2016(平成28)年度から小中学校、保育所・幼稚園等や一般住宅に現場保管していた除去土壌等の中間貯蔵施設への輸送を本格的に開始した。
輸送にあたっては、一部に仮置場での保管の例もあったが、ほぼ現場保管で除染を進めたことから、埋設した除去土壌等は掘り起し後、近隣の公園等に集積し、さらに輸送の基地である積込場へ集約するケースが大半であったが、保管現場からの直行輸送のケースもあった。本市全体の中間貯蔵施設への輸送土量は917,332立方メートルであり2021(令和3)年度で輸送は完了した。なお、輸送に関しては、国(環境省)がすべて対応した。
(郡山市(2023年3月)『郡山市公式ホームページ』「原子力災害 第18版」<https://www.city.koriyama.lg.jp/uploaded/attachment/57930.pdf>参照2023年10月11日)