2011(平成23)年3月の東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故から10年が経過し、郡山市の中心市街地は東日本大震災後の中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業(以下、グループ補助事業)等の活用により、被害があった建物の修復・建替えが進んだが、2021(令和3)年2月13日に発生した福島県沖地震は郡山市で最大震度6弱を観測し、さらに翌年、2022(令和4)年3月16日にも福島県沖を震源地とする地震があり、郡山市で最大震度5強を観測した。この二つの地震により中心市街地では、東日本大震災ではほとんど被害がなかった建物にも被害が生じ、また、グループ補助事業で修復・建替えを行った建物にも被害が発生した。
さらに、東日本大震災に起因して発生した東京電力福島第一原子力発電所事故による原子力災害以降、多くの世帯が県外へと避難し、福島県全体の人口は大きく減少した。
この10年間は、福島県では前段に述べた東日本大震災、福島県沖地震による災害、そして郡山市においては、2019(令和元)年10月の台風19号(以下、令和元年東日本台風)により阿武隈川の氾濫が起こり、阿武隈川周辺だけでなく、まちなかでも水害が発生するなど、建物への浸水被害が生じた。公共交通機関である福島交通の車庫ではバスが水没し、運行ができなくなるなど、大きな被害が発生した。さらに、日本国内では、2020(令和2)年1月から新型コロナウイルス感染症の大流行により、日本中でコロナ禍と呼ばれる状況に陥った。この影響により、まちなかの経済は飲食店を中心に大きなダメージを受けた。