はじめに、グループ補助事業の経過についてふれる。
(1) グループ補助事業
2011(平成23)年9月に第二次公募(福島県第一次公募)にて復興事業計画を福島県へ提出し、同年10月に認定された。「震災以前のまちなか再開発」、「グループ補助事業とその復興事業計画」については、『郡山市史 続編4』の「通史編」に記載されているので参照されたい。
a 認定までの経緯
【2012(平成24)年】
1月 第四次公募(福島県第三次募集)がはじまる
重点整備地区商店街グループ(駅前大通り・中央・大町・駅前アーケード・駅前南通り・本町・テアトル通り)の7商店街にて復興事業計画書(再編・拡充)を福島県へ提出
2月 福島県より復興事業計画の認定
【2013(平成25)年】
2月 第七次公募(福島県第八次募集)がはじまる
重点整備地区商店街グループ(駅前大通り・中央・大町・駅前アーケード・駅前南通り・本町・テアトル通り・駅前陣屋通り)の8商店街にて復興事業計画書(再編・拡充)を福島県へ提出
3月 福島県より復興事業計画の認定
b 事業経過
2013(平成25)年3月のグループ補助事業の認定を受けて、まちなかにおける商業施設・設備の復旧・整備事業が大きく復興にむけて進むことになった。
2014(平成26)年6月には、郡山駅前大通り南側に新たに「柏屋本店」が完成し、同年8月には、同じく駅前大通り北側に、商業テナントビル「KIK’B(キックビー)」が竣工、また、同年11月には清水台に新しく「郡山商工会議所会館」が落成した。
東日本大震災により大きく損傷し、使用継続が困難となっていた大町旧星総合病院は、2013(平成25)年1月に、郡山駅の東口(向河原町)に移転し、新・星総合病院として開院した。しかし、令和元年東日本台風による建物浸水により、大きな被害が発生した。2021(令和3)年12月には、「大町旧星総合病院跡地開発計画に関する発表」があり、星総合病院では、新たな複合施設建設計画を策定した。
この施設は『「食」「創」「育」「遊」「癒」「絆」の七つをテーマに、地域の皆さんが自分らしく豊かで健康的な人生を送るための様々な要素が散りばめられた複合施設』をコンセプトとしている。2025(令和7)年春に、地上7階の複合施設として完成予定である。
また、1994(平成6)年11月に閉店し、その後21年間もの間再開発されず、まちなかの空洞化の象徴とまでいわれていた「郡山大町センタービル(旧トポス跡地)」が、2015(平成27)年2月に民間企業へ売却され、同年6月には建物の解体工事が開始された。
この場所では、2016(平成28)年10月に、新たにまちなかの大型平面駐車場としての利用を開始した。
さらに、郡山駅前の立地にあり、2008(平成20)年2月に閉店した「旧丸井跡地」も、東日本大震災の被害を受け、2014(平成26)年3月には、解体を完了した。
この場所では、2017(平成29)年2月に、地上13階の複合商業ビル「ダイワロイネットホテル郡山駅前」が開業した。
しかし、2021(令和3)年2月及び2022(令和4)年3月の福島県沖地震により、まちなかの商業施設の建物等に再度、大きな被害が発生した。これらの商業施設の復旧整備事業が、まちなかの復興に向けての新たな課題の一つとなった。
この地震被害による、まちなかの復興手法として、再度、「グループ補助事業」を活用することになり、今回は、郡山商工会議所が中心となり「郡山商工会議所復興グループ」を組成し、復旧・復興に向けて迅速な対応