「郡山市総合教育基本計画」が2009(平成21)年度で終了することに伴い、「郡山第五次総合計画」における「まちづくりは人づくり」の考えのもと、本市の教育施策の新たな指針となる「郡山市教育振興基本計画」を2009(平成21)年3月に策定した。この計画は「郡山市総合教育基本計画」を踏襲、発展させたもので、2010(平成22)年度から2014(平成26)年度までを第1期計画、2015(平成27)年度から2019(令和元)年度までを第2期計画とし、基本理念を「ともに学び、ともに育み、未来を拓く教育の創造」、基本目標を「個性を伸ばし生きる力を育む学校教育の推進」、基本施策を「1 義務教育の充実」「2 教育環境の充実」「3 教育機関の充実」として、その実現に向け、計画的な教育行政を推進したものであった。
その後、2018(平成30)年4月にスタートした郡山市まちづくり基本指針(あすまちこおりやま)」を踏まえ、2020(令和2)年3月に第3期郡山市教育振興基本計画を策定し、2020(令和2)年度から2024(令和6)年度までの5年間を期間とした。基本理念は第1・2期計画を踏襲し、基本目標を「1 個性を伸ばし生きる力を育む学校教育の推進」「2 家庭や地域と一体となった豊かな教育環境の形成」「3 未来へつなぐ教育機関の充実」とし、各施策に「現状と課題」「方針と指標」「事務・事業でのSDGs、こおりやま広域連携中枢都市圏、ICTの活用、セーフコミュニティ、ユニバーサルデザインの5つの視点との関わり」を明記した。この計画は、めまぐるしく変動し、かつ予測困難で不確実な未来を見据え、SDGs未来都市として、SDGsの理念とバックキャストの視点から、直面する様々な課題に戦略的に取り組むなど、教育施策の総合的・計画的な推進を図る基本指針とした。
a 第1期計画における郡山市の学校教育推進構想
<2012(平成24)年度~2014(平成26)年度>
めざす郡山の子ども像を「思う存分学び『自立と共生』をめざす子ども~ふるさとを愛し支え合い高め合う 郡山の子ども~」と掲げ、「子どもたちを放射線から守るプロジェクト」を基盤として、「国語教育の充実」「学力向上の推進(授業の質的改善)」「学校支援地域づくりの推進」「特別支援教育の充実」「幼・保・小連携の充実」を学校教育の五つの柱として重点的な取り組みがなされた。
b 第2期計画における郡山市の学校教育推進構想
<2015(平成27)年度~2019(令和元)年度>
めざす郡山の子ども像を新たに「高い志を持って自立し、他と協働して未来を拓く子ども」と掲げ、「総合的な応用力の育成」「一人ひとりを大切にした豊かな心の育成」「体力・運動能力の向上」「思う存分学べる教育環境の整備・充実」「連携教育の推進」を新たな学校教育の五つの柱として重点的な取り組みがなされた。特に、「総合的な応用力の育成」では、各教科等での言語活動の充実を重視し、思考や表現の「学びの型」を活用した問題解決的な学習が推奨された。2018(平成30)年度からは、「学び」「人と人」「夢や希望」をつなぐ「郡山版小中一貫教育」を掲げ、小学校と中学校が目指す子ども像を共有し、義務教育9年間を見据えた教育を推進し、2018(平成30)年度に西田学園が県内初の義務教育学校として開設し、2019(令和元)年度に湖南小中学校が新たに義務教育学校へ移行した。
c 第3期計画における郡山市の学校教育推進構想
<2020(令和2)年度~2021(令和3)年度>
めざす郡山の子ども像「高い志を持って自立し、他と協働して未来を拓く子ども」を踏襲し、「SDGsを郡山の子どもたちから~「誰一人取り残さない」教育の推進~」を掲げ、「総合的な応用力の育成」「一人ひとりを大切にした豊かな心の育成」「危機管理能力及び体力・運動能力の向上」「思う存分学べる教育環境の整備・充実」「連携教育の推進」を学校教育の五つの柱とした。
2019(令和元)年10月、令和元年東日本台風(令和元年台風19号)の被害・災害に伴う気候変動対応型防災教育の充実や、新型コロナウイルス感染症対策を含む危機回避能力を高める安全教育の充実が必要となり、「危機管理能力」が新たに五つの柱の一つに位置付けられた。