<2012(平成24)年~2021(令和3)年>
2013(平成25)年1月に創立者で、長らく学長を務めた関口富左が逝去したが、その後は二代目学長関口修のリーダーシップの下、東日本大震災からの復興とコロナ禍の対応を着実にすすめ、地域に根差した女子の高等教育を実践している。この10年間の特筆すべきこととして、三点を挙げる。
一点目は学科改編である。18歳人口減少に加え、東日本大震災の風評被害から受験生が減る一方、地域に貢献する人材育成が重要となったためである。2018(平成30)年に短期大学部家政科福祉情報専攻、生活芸術科、文化学科を統合し地域創成学科が誕生。短期大学部家政科食物栄養専攻を健康栄養学科と改称した。2019(令和元)年に幼児教育学科にチャイルド・ミュージックコースが誕生。同時に音楽科の募集を停止した。2021(令和3)年には人間生活学科より名称を変更し、生活科学科(社会福祉専攻・建築デザイン専攻)を設置した。これにより、大学院(人間生活学研究科)、大学家政学部(生活科学科・食物栄養学科)、短期大学部(健康栄養学科・幼児教育学科・地域創成学科)の体制となった。このほか短期大学部には専攻科文化学専攻があるが、更に幼児教育学専攻の開設を準備し、一層の地域貢献を目指している。
この間の2019(令和元)年秋、東日本台風による大雨で学内の被害はなかったものの、学園祭「もみじ会」が中止になった。また2020(令和2)年3月に、音楽科最後の学年、地域創成学科最初の学年を含む卒業式が、コロナ禍で急遽中止となる辛いことがあった。
二点目は従来から力を入れてきた環境教育の継続である。その成果はエコユニットアワード2015優秀賞、第6回エコ大学五つ星(2015(平成27)年)、サスティナブルキャンパス評価システム「ゴールド認定」(2016(平成28)年)、第21回環境コミュニケーション大賞環境レポート部門優良賞(2018(平成30)年)、環境人づくり企業大賞2019環境大臣賞、第23回環境コミュニケーション大賞環境経営レポート部門優良賞(2020(令和2)年)、第24回環境コミュニケーション大賞環境経営レポート部門優秀賞(2021(令和3)年)と、毎年の受賞歴からも明らかである。
そして三点目が地域との連携活動である。下記の様に連携協定を締結し、コロナ禍で控える時期もあったが、県内各地で学生が多彩に活動し、現在に至っている。
・郡山市こども総合支援センターとの事業連携(2013(平成25)年3月~)
・本宮市との包括連携協定(2016(平成28)年11月~)
・葛尾村との包括連携協定(2016(平成28)年12月~)
・JA福島さくらとの包括連携協定(2016(平成28)年8月~)
・福島民報社との連携協定(2017(平成29)年2月~)
・小野町との包括連携協定(2017(平成29)年8月~)
・古殿町との包括連携協定(2018(平成30)年8月~)
・鏡石町との連携協定(2020(令和2)年2月~)
また食を教育研究する大学として、学生食堂と寮内では、市内の一流ホテルの和洋の料理長経験者が腕を振るい、学生の健康増進と味覚の洗練を図っている。