地区地域公民館は、より身近な生涯学習の場として、市民の学ぶ意欲に応える多種多様な事業を展開してきた。主催事業の柱は、日常生活に必要な知識や技術の習得、個人の自己啓発を高めることをねらいとした「地区地域公民館定期講座開催事業」である。具体的な講座としては、高齢者、女性、成人・一般、青少年、親子などそれぞれ対象を明確にした「学級」と、趣味・教養、市民意識や健康、パソコンというようにテーマ別に設けた「市民学校・講座」、さらに、地域で抱える様々な課題に対して、地区地域公民館と住民とが協働して事業を開設し、地域住民のつながりを強め、活性化につなげる「地域に根ざした学習充実事業」がある。
その中で「地域に根ざした学習充実事業」には、「地域の伝統文化の継承を通じた地域づくり活動」と「地域の教育力を通じた地域づくり活動」、「団塊の世代(2020(令和2)年度より「セカンドライフ世代」と改称)の地域参画支援を通じた地域づくり活動」がある。中でも地域の伝統文化を取り上げた活動では、久留米押し絵、安積甚句、うねめ太鼓、開湯太鼓、柳橋歌舞伎、海老根和紙等、地域の伝統文化の担い手養成にもつながる特色ある活動が各公民館において展開された。特に、2019(令和元)年度に文部科学省から優良公民館表彰を受けた日和田公民館は、明治時代まで地域で行われていた人形浄瑠璃とそれに使用されていた「高倉人形」の復活を目指して、地域住民の連帯意識や住民の民俗芸能の伝承及び地域に対する愛着・帰属意識の向上を目的に事業を展開した。公民館が主体となり、地域住民や各種団体に働きかけを行って実行委員会を組織し、様々な事業を実施することで、地域づくり、地域連携に貢献している。
また、各地区地域公民館は共催事業として地区・地域を挙げて開催される運動会や球技大会、文化祭等の支援にあたり、地域活動の活性化を図る上で大きな役割を果たしている。