大震災後も大きな災害が発生し、2019(令和元)年10月には、台風19号により河川氾濫、家屋損壊、道路等インフラ施設をはじめ、公共施設、工場や商業施設、農地や農業施設等に甚大な被害が生じ、市民生活や経済活動に深刻な打撃を与えた(郡山市(2019)『衆議院災害対策特別委員会提出資料』)。また、同年12月には、新型コロナウイルス感染症が発生し、感染予防等の新たな生活様式が求められ、郡山市は、2020(令和2)年2月に「市主催等イベント中止等、市有施設休館の指針(2020年2月2日)」『資料編』(第1編・新型コロナウイルス感染症 1.[1])を策定し、市民の文化活動等も制限されることとなった。
さらに2021(令和3)年2月13日土曜日23時8分には、福島県沖地震により、郡山市も震度6弱を観測するとともに、人的被害や物的被害が発生し、公共施設等も損壊した。これら施設の復旧には、コロナ禍での事業者不足やマスク着用などから、通常以上に時間的・作業的な負担が増大する中、郡山市は、施設の早期復旧へ積極的に取組んだ。また、市民の文化活動の核とも言える市民文化祭は、大震災翌年から開催している経験を活かし、主催行事や参加行事の縮小はあったものの継続していること、さらに各文化団体も、制限の中において工夫しながら活動を絶やすことなく行っていたことは、復旧、復興への大きな力となった。
(渡辺 勝)