郡山市民文化センター(以下「市民文化センター」)は1984(昭和59)年11月10日に市制施行60周年の記念事業として開館した。
大ホール・中ホールの二つのホール機能を中心に、集会機能・展示機能・練習機能の四つの性格を備え、芸術の鑑賞や創造・発表の場として利用できる多目的な文化施設である。
大ホールの定員は2,004名(固定座席数1,998席)で、固定座席を備えるホールとしては福島県内で最も定員の多いホールであり(東北地方すべてにおいても5番目)、開館から40年を迎える現在でも、東北有数の規模を誇る文化施設として、連日多くの方々に活用されている。
2012(平成24)年度からの年間平均利用人数は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた2019(令和元)年度以降を除くと約44万人。感染症の影響を受ける直前の2017(平成29)・2018(平成30)年度においては約48万人である。
市民文化センターでは、国内外の多くのアーティストを招へいし、音楽を始め演劇や古典芸能など芸術鑑賞の機会を市民に提供している。
市民文化センターの主催事業として開催した公演の一部を挙げると、「ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団郡山公演」(2014(平成26)年度)をはじめ、「NHK交響楽団郡山公演」(2012(平成24)年度から2019(令和元)年度まで8年度連続で開催)、「宝塚歌劇団郡山公演」(2012(平成24)・2016(平成28)・2017(平成29)年度)、こおりやま寄席として「立川志の輔独演会」(2012(平成24)・2017(平成29)年度)、「春風亭小朝独演会」(2014(平成26)・2018(平成30)年度)、「三遊亭円楽独演会」(2015(平成27)・2019(令和元)年度)などがあり、一流の芸術を多くの市民が堪能した。
また、園児・児童が親子でともに楽しめる演奏会として、「音楽の絵本」(2012(平成24)~2016(平成28)・2018(平成30)~2021(令和3)年度)、「ジブリの思い出がいっぱい」(2018(平成30)・2021(令和3)年度)などの事業を開催している。
その他、市民文化センターでは、「楽器奏法レッスン」や「管弦打楽器奏法講習会」・「演劇ワークショップ」・「舞台技術講座」など、将来における文化芸術の担い手を育成する事業や、「市民コンサートホール」や「市民演劇ホール」・「郡山市美術連盟展」・「市民ギャラリー展」など、市内の文化団体の活動を支援し、発表の場を提供する事業を開催している。
さらに、「ホール探検ツアー」・「世界の名器スタインウェイ・ベーゼンドルファーを弾きに行こう」といった施設の見学やホールでのピアノの演奏体験によって、市民文化センターに愛着を持ってもらうための事業を実施している。
また、貸館事業としても多くのアーティストによる公演や演奏会などに利用されるとともに、コンベンション施設として、「第32回日本臨床麻酔学会」(2012(平成24)年)、「第69回日本消化器外科学会総会」(2014(平成26)年)、「第76回日本臨床外科学会総会」(2014(平成26)年)、「第64回全国高等学校家庭クラブ研究発表大会」(2016(平成28)年)、「第57回全国自治体病院学会」(2018(平成30)年)などの多数の全国的な大会を始め、各種イベントにも数多く利用されている。