2012(平成24)年度は、東日本大震災から1年が経過し、新たな旅立ちの年となった。開館から10年が経過し、老朽化の進んだ宇宙劇場の改修工事が行われ、4月28日にリニューアルオープンを果たすことができた。改修の結果、スクリーン全体にフルハイビジョンの約8倍もの高解像度の美しい映像が映し出されるようになった。また、日本では25年ぶりとなる金環日食があり、この天体ショーに早朝の6時30分からおよそ1,000人もの市民の方々が集まり、観望会を駅前で実施した。
2013(平成25)年度は、当館独自のボランティア団体であるスペースパークボランティアの会(S.P.V)が設立から10周年を迎えた。
2014(平成26)年度は、開館以来当館を管理運営していた「公益財団法人郡山市文化・学び振興公社」が新たに5年間の指定管理者として指定を受けた。
2015(平成27)年度は、4月29日に有料ゾーン入館者数が200万人に達した。11月10日には「ブラザーアーストーク~JAXA 油井宇宙飛行士とリアルタイムで交信~」を実施し、地上400km上空の国際宇宙ステーションと当館をはじめ7会場のプラネタリウムを結び、交信を行った。
2016(平成28)年度は、開館15周年を迎えた節目の年であった。記念イベントとして、10月1日、2日を無料開放し「記念式典」をはじめ「記念講演」「記念コンサート」等大変盛況の中開催することができた。
2017(平成29)年度は、当館としては初の夏の企画展「3Dゴーストハウスの科学」を開催した。これまでなかなか足を運んでもらえなかった高校生など、新たな客層を含め、延べ28,000人の方に来場してもらった。
2018(平成30)年度は、有料ゾーン入館者数が250万人を達成し、8月に記念セレモニーを行った。また、科学館専用車には、松本零士名誉館長の「銀河鉄道999」のラッピングカーが加わった。さらに、宇宙を立体視できる3D天文シミュレーションシステム「Mitaka3D」を導入した。
2019(令和元)年度は、5月1日から元号が令和となり、新しい時代の幕開けとなった。「公益財団法人郡山市文化・学び振興公社」が新たに5年間の指定管理を受け、進化・発展し続ける「グローイングミュージアム」を目指しスタートを切った年であった。しかしながら、台風19号による市内水害被害のため営業時間の短縮や年度末に感染が拡大した新型コロナウイルスの感染予防のため、宇宙劇場の1ヵ月にわたる投映中止など、事業運営に少なからず影響を及ぼした。
2020(令和2)年度は、新型コロナウイルス感染症との闘いの1年となった。国の緊急事態宣言に合わせ、展示ゾーンも含めた科学館全館が4月18日から5月18日まで休館となった。再開後は、コロナ禍における「新しい生活様式」に則った施設運営、事業実施に努めた。また、「来館できない皆様に何かできることはないか」と考え、SNSによる実験工作、天文解説などの情報発信を積極的に行った。
2021(令和3)年度は、開館20周年を迎えた節目の年だったが、この年も新型コロナウイルスに翻弄された1年となった。前年度同様、様々な感染症対策を実施しながらの施設運営、事業実施となった。特に、8月23日から9月23日まで全館臨時休館となったため、当初10月2、3日に予定していた記念事業は中止して、それらの一部はウェブサイトからの動画配信へと開催方法を変更した。年明けから再び感染症拡大に伴い、1月27日から3月6日まで2度目の全館臨時休館を余儀なくされた。また、当館のキャラクター「エンゼルナ」と「ミーニャン」の製作者であり、開館以来の名誉館長である漫画家の松本零士氏が6月末をもって一身上の都合により退任された。同氏の当館への長年にわたる貢献にあらためて感謝の意を表したい。