郡山市音楽連盟は、1972(昭和47)年に故鈴木武司や阿部信幸たちが中心となって設立された。以来50年に及ぶ音楽活動を通じて、楽都郡山を支えてきた。2021(令和3)年度現在は器楽部門10団体、声楽部門31団体の計41団体(約1,700名)が加盟している。音楽連盟の主な事業は、加盟団体の音楽活動の研究と向上、音楽環境の充実などである。その目的の遂行のために主催事業としては、声楽部門の音楽フェスティヴァル、器楽部門の器楽の祭典、そのほかおかあさんコーラス祭り、実技講習会、管弦打楽器奏法講習会等を開催してきた。器楽の祭典は、それまで文化団体連絡協議会の文化祭行事の「器楽祭」として開催されてきたが、2013(平成25)年度、音楽連盟主催に移管され、「第1回器楽の祭典」と名称変更して開催した。しかし2020(令和2)年度は、その年から猛威をふるうようになった新型コロナウイルス感染症が感染症類の2類に指定されたことから、定期総会は書面総会となり、その他の主催事業がすべて中止となった。唯一郡山市民文化センターとの共催事業である管弦打楽器奏法講習会は、講習者を集めての講習会は中止としたが、動画講習ビデオ撮影に切り替え、トランペットとサクソフォンの動画を作成した。その動画はその後郡山市民文化センターのホームページで公開され、作成したDVDは市内の小学校24校、中学校21校に配布し活用されている。新型コロナウイルス感染症による音楽活動における影響も大きかった。感染を防ぐために観客席は1席おきで座るようにし、来場者の特定や、ステージ上も前後左右の間隔をあける、換気は30分毎、消毒はドアノブ・マイクまでその都度徹底するなど、今までに経験したことのなかった制限が加えられた。
郡山市には、コンサートや演劇・講演会等に利用できる多目的ホールとして、市制施行60周年を記念して建設された郡山市民文化センターがある。しかし福島市にある音楽堂のような音楽専用ホールはなく、市民の間には音楽専用ホールの整備を求める声が強くあった。郡山市は2008(平成20)年3月に音楽都市を宣言し、2013(平成25)年には音楽堂整備基金を創設した。音楽堂の整備を要望していた音楽連盟として、独自にこの基金への寄附を募ることとした。各団体のコンサート開催時に募金箱を設置して来場者から寄附を募り、年度末に市長に寄附金として贈呈、2021(令和3)年度までに計8件、総額86万円余りを寄附してきた。また、音楽堂整備のための取り組みは基金への寄附に限らず、郡山市議会へ「音楽専用コンサートホールの早期設置について」とする請願書を、2015(平成27)年の12月議会に提出し、満場一致で採択された。
音楽環境の整備の面では、現場の声を伝えるべく、郡山市と音楽連盟の意見交換が必要であるとの観点で、2018(平成30)年度から1年に1回懇談会を開き、双方で率直な意見を交わしてきた。その結果、2021(令和3)年度よりかねて要望してきたコンサートホールの入場料金を1,500円から2,000円に引き上げることができた。
その他公民館の第3日曜日の休館日変更や閉館時間の変更など、これからの課題もあるが今後も意見交換をして音楽環境の改善に努めていく。
音楽連盟の運営改善の一つにホームページの開設がある。音楽連盟の取り組みの内容や、各団体のコンサートを始めとした取り組みを発信して広めていこうと、2016(平成28)年5月に開設した。
今後も楽都郡山として発展を続けるように取り組みを続けていく。以下には一部ではあるが各団体のこの10年間の活動を紹介する。