(11) 郡山ジュニアフィルハーモニーオーケストラ

 郡山ジュニアフィルハーモニーオーケストラは、郡山で唯一の「子どもだけのオーケストラ」である。結成は1977(昭和52)年、46年の活動歴を誇る。結成当時は100名以上在籍していたが、少子化や子供たちの嗜好の多様化、また近年においては、3度発生した震災の影響で練習会場や演奏会場が利用できず、また新型コロナウイルス感染症の影響では活動の制限や自粛を余儀なくされ、これまで多くの困難に見舞われてきた。現在の団員数は34名と減ってはいるものの、指導者の情熱と子どもたちのオーケストラを愛する心を支えに数多くの手厚い支援のもと、活動を続けている。

 結成したきっかけは当時、小学校には管弦楽を経験した児童が多くいたが、中学校で管弦楽部があるのはたった1校だけだったこと。そこで、進学しても引き続き活動できる場所をつくろうと、小中学校の音楽教師、保護者の協力によって創設された。

 目的は、「団員自らが音楽を楽しむこと。そして演奏活動を通して音楽性と団員相互の友情を深め、青少年の音楽活動に寄与すること」。年に1回の定期演奏会やファミリーコンサートをはじめ、国内外への演奏旅行、出張演奏などの活動を行なっている。団員は、小学4年生から大学生まで。経験者・初心者は関係なく、みんなのびのびと音楽活動を楽しむ。「いろんな学校から、いろんな学年の子たちが集まってくる。部活ではコンクールが目的になるけれど、ここでは純粋に音楽を楽しむこと、そして団員どうしが仲良く活動することを大切にしています」と、多くの団員が口を揃えて言う。2016(平成28)年、創立40周年記念定期演奏会を開催し、多くのOB・OGと合同演奏を行った。こうした活動を支えるOB・OGの存在も、郡山ジュニアフィルの大きな特徴である。現在、プロ奏者として活動しているOB・OGも多く、また小中学校の音楽教師や楽器製作者、もちろん今でもアマチュア奏者として活動を続けている方も多くいる。

 郡山ジュニアフィルの活動の様子は、ホームページをはじめ、エックスやフェイスブック、インスタグラム、ユーチューブでも紹介している。当団体では「関心のある方はぜひチェックをしてほしい」と呼びかけ、周知に努めている。

(近内 利男)