(3) その他のまつり

 うねめまつりや萩姫まつり以外の市内で行われるまつりについて、新型コロナウイルス感染症の影響を述べていく。

 うつくしまYOSAKOIまつりは、2002(平成14)年から行われている。県内外から多くの参加者が集まっており、震災の年にも開催されていたが、2020(令和2)年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、中止になった。

 福魂祭は、東日本大震災復興イベントとして震災翌年から開催されている。数多くのアーティストが参加するライブが行われ、復興への祈りを捧げている。その福魂祭も、2020(令和2)年3月に開催される予定であった第8回福魂祭が、新型コロナウイルス感染症の影響で同年8月に延期となった。その8月開催も参加者の健康や安全面を考慮して、2021(令和3)年3月に再延期となった。再延期となった3月は、規模を縮小してオンラインでの配信となった。また、この年をもって福魂祭は終了となった(福島テレビ株式会社(2021年3月15日)『テレポートプラス』<https://www.fukushima-tv.co.jp/tv-news/2021/03/020512.html>参照2024年9月11日)。

 あさか野夏まつり花火大会は震災後の8月にも開催されているが、2012(平成24)年の大会には、原発事故で市内に避難している富岡町や川内村の人たちが招待された。東京電力福島第一原発事故からの復興を願う花火を含めた1万発の花火が打ち上げられた(『福島民報』2012年8月16日)。

 2020(令和2)年の花火大会は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となった。続く2021(令和3)年も新型コロナウイルス感染症の影響は続いていたが、無観客で開催された。感染症の収束を願い2,000発の花火が打ち上げられた(『福島民報』2021年8月17日、『福島民友』2021年8月22日)。

 安積国造神社の行事についてみていくと、秋季例大祭は毎年9月に五穀豊穣と氏子の安全を感謝するまつりである。28日には駅前大通りを各町会の山車が練り歩くものだが、この秋季例大祭も新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため、2020(令和2)年、2021(令和3)年の山車まつりなどは中止となり、式典のみが実施された。式典では五穀豊穣に感謝するとともに、新型コロナウイルス感染症の収束を祈願した(『福島民報』2021年9月28日)。

 また、同神社の大鏡餅の奉納式は2020(令和2)年は新型コロナウイルス感染症のため中止していたが2021(令和3)年は開催され、氏子たちによってつかれた巨大な鏡餅が拝殿に供えられた(『福島民報』2021年12月29日)。

 人々が密集するまつりの場は、新型コロナウイルス感染症に感染する可能性が高く、感染が流行している時期に開催することは非常に難しい。事実、郡山市のまつりは開催中止となっている。

 毎年開催されるまつりが行われないのは非常に残念なことではあるが、うねめまつりにおけるネット配信や、展示等の代替案が検討され実施されていたことは、まつりにおける新しい形態として、今後同じような事態になった場合のためだけではなく、遠方の人たちへ郡山のまつりを知ってもらう機会に成り得るため、今回限りにするのではなく、次回以降も可能な限り実施することが、重要であるといえる。

(文化スポーツ部)