2012(平成24)年4月から「屋外活動の自粛・制限の解除」により、除染された校地内での学習活動が再開されるようになった。放射能汚染に対する児童や保護者の不安は大きく、小中学校では、「放射線教育」を学ぶ中で、身の回りの環境を学ぶことが多くなってきた。これまで環境教育のフィールドであった学区内の学校園・里山・河川等での自然に親しむ活動の再開は難しく、総合的な学習の時間や学級活動の時間に放射線を学ぶことが行われるようになった。
「小学生のための放射線副読本」「中学生・高校生のための環境副読本」を用いた放射線に関する基本的な学習が繰り返し行われ、専門家が来校し簡単な実験や観察をする機会が増えていった。こうした放射線教育の授業が進められ、市内の除染活動が進むにつれて、環境教育の資源であった野外施設(平成記念郡山こどもの森公園・野鳥の森学習館など)の活用も段階的に再開するようになってきた。
2019(令和元)年、「SDGs未来都市」に選定されたことにより、2020(令和2)年には郡山市立学校全校で教育課程にSDGsについての学習を位置づけ取り組むこととなった。放射能に対する不安が低減されつつあったころ、2020(令和2)年には新型コロナウイルス感染症により、3月2日から郡山市立学校全校が休校となった。新型コロナウイルス感染症が長期間に渡り感染拡大するのを防止するための行動指針として「新しい生活様式」の実践例が公表され、「人と人との距離の確保」、「マスクの着用」、「手洗いなどの手指衛生」や「三密(密集、密接、密閉)の回避」などが示された。学校においては、感染防止対策を徹底しながら、安全・安心な学校運営に取り組むことになった。子どもたちを取り巻く環境が大きく変わらざるを得ない状況となり、集団で話し合ったり、学びあったりする活動が制限されるようになった。