「放射線」について知らないから不安になる。放射線についての基本的知識を身につけることで正しい行動ができる。放射線の利用や有用性を教えることが学校現場で取り組まれるようになった。しかし、放射線に対する保護者や子供たちの不安から、原発事故による授業への影響は次のような状況であった。
1.屋外で花や野菜は栽培しない。(屋内で簡単に栽培・できた実は食べない)
2.屋外活動は自粛する。(体育・部活動は屋内で実施)
3.昆虫の飼育はしない。(蝶など昆虫の育ち方の学習は、ICTを活用)
4.川での学習(川の流れや石、生き物などの)観察ができない。
こうした放射線問題で、学校での屋外活動や生物教材活用等が実施できない状況下で、せめて児童に広い空間をもつ社会教育施設で活動させたいとの思いから、市内の社会教育施設の利用が増加したり、放射線量の低い湖南地区での学習が行われたりするようになってきた。理科の栽培学習では、プランターで草花や野菜を栽培して観察したり、県外から取り寄せた昆虫や植物を授業で活用したりする学習が行われた。宿泊学習や遠足等を放射線量の少ない会津地区の公園や湖南地区をフィールドとして行い、もりの案内人や自然に詳しい講師を活用する自然観察学習が工夫して行われるようになった。