(3) 中学校における取組

 「放射線教育がおよそ30年振りに復活」と言われた2008(平成20)年の学習指導要領の中では「放射線についての授業が中学校でも必要だ」として、2012(平成24)年度から中学3年生を対象に、「エネルギー資源」の項目の中で「放射線の性質と利用」にも触れることが定められた。そうしてまさに放射線教育の再開へ向けた準備期間中だった2011(平成23)年3月に、東京電力福島第一原発事故が起きた。

 中学校3年生の理科の授業では、「放射線って何だろう」、「放射線は身の回りに存在している」、「放射線は医療でも利用されている」といったテーマから教えることが実践された。自然界には放射線が存在すること、放射線は防護できることなどを、実際に放射線測定器具を使って生徒が実験する授業も実践されるようになった。また、「環境副読本」を利用した学習も行われた。理科の学習では、観察や実験が難しい内容は、ICTを活用して学ぶこともみられた。