92.田村神社厨子(たむらじんじゃずし)

 

県指定重要文化財(建造物) 昭和56(1981)年3月31日指定

所在地郡山市田村町山中字本郷135
所有(管理)者名田村神社
アクセス郡山駅前から旧国道経由東山霊園行き、蓬田線蓬田行き、山中下車徒歩7分
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 禅宗様仏殿形式の比較的大きな厨子で、正面の柱間が約5尺6寸7分、奥行が約4尺9寸、高さ約12尺5寸となっています。作られた経緯はわかりませんが、軒先は全面扇垂木、垂木が2段になった2軒で、桁に掛かる地垂木・軒先に近い飛檐(ひえん)垂木のどちらも垂木の上端(うわば)・下端(したば)に反りが付けられて、地垂木先端は元の寸法に10分の2程度の増しが付けられています。このような技法を初めとして、軒先を整えるための茅負という材料には江戸時代のものとは違った形式が使われていることや、欄間の牡丹唐草文様、扉の菱形類似文様、輪違文様などの裏板を当てた凹凸の少ない透し彫り細工など、随所に安土桃山時代の匂いを感じさせるものが見られます。細工そのものは質素なのですが、全体に金箔が施されて、思いの他豪華な雰囲気を漂わせています。作風の素晴らしさは県内屈指のものと言えるでしょう。

 屋根については一重の入母屋造りですが、他の寺院の堂内に置かれていたものを運んできたものと思われます。屋根が本殿の柱の間に入りきれず、正面隅を欠いています。屋根板は一枚貼りで、箱棟も簡単な削り出しで済まされています。

 この厨子には大元帥明王が安置されています。

ちょっとブレイク

田村神社は明王山

田村神社は昔、坂上田村麻呂の守護神・大元帥明王をまつる霊山だったことから、明治までは「明王山」あるいは「お山」と呼ばれていたんだって。