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解題・説明
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塔身の高さ68cm、幅59cm、厚さ30cmの凝灰岩づくりの笠塔婆で、塔身の上部の仏像を安置するところには、台座にあぐらをかいて座り、定印を結ぶ高さ44cmの阿弥陀如来の下部中央に「承元二年大才戊辰八月十一日」、左右には「右志者為慈父也」「施主華慶造立」と彫ってあり、塔身上には方形の屋根と宝珠、塔身下には二重の台石があります。 屋蓋の上には露盤があったと思われますが今はなく、塔身前には2本の四角い柱があって屋蓋を支えたと思われる跡があります。 塔身の背面には、中央に大日如来を表す胎蔵界曼荼羅が刻まれ、塔身右の側面には種子一字と次のような文章が刻まれています。 一持秘密呪 生々而加護 千万及讃花 微少捨護仏 この塔の構造は、餓鬼草紙に見える笠塔婆の系統に属し、この形式での追善供養塔としては我が国最初のもので、その種子曼荼羅は、石に彫ったものとしても最古に属すものとみられます。鎌倉時代初期のものです。
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