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解題・説明
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この塔婆は、静御前堂の真下にあります。先端が三角形になっている凝灰岩質の自然石の一面を磨いて形を造ったものです。種子は上部が削り取られていて、阿弥陀如来の種子「キリーク」がわずかに見える程度です。 種子の下に「嘉元三乙巳年十一月日」、左右に「十三年成仏」、「右為高父当」、下方に「敬白」の文字があります。 高父は亡父の敬語であろうと思われ、1305(嘉元3)年に阿弥陀仏に帰依して、父の十年忌供養を行ったものと考えられます。 静御前堂は静御前を祭った御堂ですが、静御前が義経を慕って北に向かいこの地までたどりつき、途方に暮れてついに「かつぎ」を捨てて、池に身を投じたという言い伝えがあり、「かつぎ」を捨てたところが「かつぎ沼」、身を投じた池が「美女池」であると言い伝えられています。また静御前は乳母と下僕の小六を共にしていましたが、この小六の碑もここには残っています。小六の碑があるのは、全国の静御前遺跡の中でも例がなく、珍しいものです。 里人が静御前の短い命をあわれみ、その霊を祭ったのがこの御堂であると言い伝えられています。
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