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解題・説明
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檜の寄木造りで、漆箔がほどこされています。像高95cmのいわゆる3尺像です。首部は枘で胴部に固定されています。頭部の11面の化仏のうち、7面はすでに失われています。4面も後から補われたものです。天衣も失われ、右手、両足先と台座も後補によるものです。 やや下膨(しもぶく)れした相貌ながらも、引き締まった姿に作られています。玉眼(ぎょくがん)の使用、条帛(じょうはく)と裳のきわだって深い彫り、裳の裾の折り返しに鎌倉時代中期の様式がうかがわれます。『相生集』は、この像を春日の作としています。 寺伝によると、岩蔵寺は室町時代初期の1393(明徳4)年に岩倉に建立され、地名を寺号としたとあります。江戸時代の享保年間(1716-1736)に片平村の現在地に移転して、1798(寛政10)年の火災で本堂と観音堂は焼失しますが、この像は難を逃れることができました。幕末の1851(嘉永4)年に本堂とともに観音堂も再建されたと伝えられます。
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