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解題・説明
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水上川東岸高く、崖下に営まれた観音堂に安置されて、住吉観音と呼ばれています。欅を用いた素木の一木造りで、像高は123cmあります。 耳朶はすこぶる大きく、おおらかな眉に墨入れの目もやさしく、どっしりとした鼻、ふっくらとした面長の穏やかな顔立ちをしています。頭上の11面の化仏も、いずれも温顔に作られており、右手は人々の願いをかなえる与願印を示し、左手は親指をやや扁平の胸にあてて持物を握ります。持物はすでに失われています。衣紋は深く彫られています。 地髻部の彫りの様子、頚の短さと三道の間隔の狭さ、垂髪の省略等から江戸時代初期の頃の地方作と考えられています。 肩に記された観世音菩薩を表す梵字の“サ”は、この1字の墨書すなわち種子によって、無限の仏恩を願うという密教観をうかがわせます。 この像は、『相生集』に「岩屋観音 鍋倉七月十七日 安達二十九番の札所 あたごあみだ」と記されています。
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