風向と風速

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越谷地方の風は、冬期では北ないし北西の風が多く、夏期では一般に南東の風が卓越している(第2図)。埼玉県内でも風の弱い地域に属しており、昭和四十四年の越谷市消防本部の資料によると、冬期季節風の勢力が強い一月でさえ月平均風速は一・一メートル、同じく月平均最大風速も二・八メートルにすぎない。このため越谷地方では、春先の南または南東風が最も強い風となっている。この南風は、日本海で強い低気圧が発達したときに、しばしば砂塵を巻いて吹き荒れる風で、風速も一〇メートル以上になることがめずらしくない。春先の風に次いで強いのは夏の風であり、七月の平均風速は一・三メートル、同じく平均最大風速は二・四メートルとなっている。このように、越谷地方では冬期の季節風より夏期の季節風が卓越し、明らかに海洋型の風系をみせている。

第2図 最大風速時の風配図(昭和44年)