越谷地方の気温をみると、最暖月は二六・六度Cの八月であり、最寒月は三・三度Cの一月である。年平均気温は一四・四度Cを示し、これは臨海性の横浜、東京より約一度C低く、内陸性の前橋、熊谷より約一度Cほど高くなっている。さらに、冬期一月の平均最高気温は九・一度C、同最低気温はマイナス二・六度Cで、その日較差は平均一一・七度Cにおよび、また、八月の平均最高気温は三〇・七度C、同最低気温は二二・四度Cで、その日較差は平均八・三度Cである。過去三〇年間における越谷地方の最高気温は、昭和四十七年七月三十日の三七度C、同じく最低気温は昭和二十九年一月二十八日のマイナス一三度Cがそれぞれ記録されている(第3図および第1表参照)。もちろん全体的には、西高東低型の地形展開に、また、局地的には、都市気候に強く影響されている埼玉県において、東京都と隣接し、かつ県東南部の一隅にある越谷市の平均気温が、県下市町村のうちでも高いことはいうまでもない。以上のべたように、風、雨量、気温の各気候要素からみた越谷地方の気候的特色は、風向、風速とも臨海型を示すこと、埼玉県のうちでは最も雨量がすくないこと、反面、最も年平均気温が高い地域に属していることの三点に要約することができる。