土壌

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つぎに地形・地質と深い関係にある土壌について、表土、つまり耕土層と、地下一メートルまでの土壌断面とに分けて概観してみよう。まず越谷市内の土性とその分布を要約するとつぎのようになる。越谷地方で普遍的にみられる土壌は、二五%程度の砂を含む粘土質の埴土である。これは市域の過半を占めている。つぎに多いのが五〇%以上の粘土を含む埴壌土であり、以下粘土分二五~五〇%程度の壌土と、同じく粘土分二五%程度の砂壌土とがほぼ同率で分布し、最も少ないのは砂土である。いわば越谷市内の表層土壌は、粘質の埴土層の中に砂質の土壌が、帯状ないし点綴状に分布しているということができる(第6図)。

第6図 越谷地方の土性図(中川水系農業水利調査事務所資料より作成)

 ところで分布状況をもう少し具体的にみると、まず砂土は、市役所前の新平和橋左岸の東小林、桜井地区の大房、大袋地区の大道から恩間・袋山にかけての各地域に分布がみられる。いずれも元荒川沿岸である。ついで砂壌土は、増林、大袋両地区の古利根川沿いの自然堤防と、越ヶ谷高校から花田にかけての元荒川の旧河道沿いの自然堤防に分布している。壌土は、新方、桜井の古利根川右岸の自然堤防、末田須賀堰下流の元荒川両岸、つまり右岸の小曾川ならびに左岸の三野宮の自然堤防とその後背水田地域、下間久里から大里、大沢にかけての自然堤防と隣接する水田地域等に分布している。また埴壌土の分布地域は、元荒川の派川とみられる南荻島の自然堤防から四丁野、瓦曾根、東方、南百を結ぶ〇・五~一キロメートルの幅をもつ地域と、新方、桜井の古利根川右岸の壌土地域に外接する地域とに、かなりまとまった分布がみられる。以上のほかは、ほとんど埴土層からなる地域で、その中心は、地形のところでのべた出羽沼をはじめとする旧池沼部分である。