越谷付近の台地の地層

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越谷地方を取り巻く西の北足立台地、東の下総台地は表層から洪積層であり、これに比較される越谷の洪積層は、後に述べるように沖積層の下に埋没している。これら台地の上部は五メートル内外の赤土におおわれており、これを関東ローム層と呼んでいる。これは洪積世に厚く堆積された火山灰層で関東地方の場合、古い層から多摩ローム層(洪積世前期、一〇〇~六〇万年前)、下末吉ローム層(洪積世中、後期、六〇~一五万年前)、武蔵野ローム層(洪積世後期の中頃一五~六万年前)、立川ローム層(六~一万年前)の四つの層があるが、付近の岩槻、大宮の台地では上部に立川ローム層、下部に武蔵野ローム層しかあらわれていない。

 これら火山灰の供給源は、ロームの中に含まれる岩石により、下部の武蔵野ローム層は箱根火山と古富士火山、上部の立川ローム層は主として古富士火山といわれている。数万年から一万年前ぐらいまでの数万年間に、数百回にもおよぶこれら火山の噴火による火山灰が、上空二~二〇キロメートルを東へ吹く偏西風にのって、関東平野一帯に降り積ったものと考えられている。北足立台地の層序の例は、第4表のようである。越谷地方の洪積層は、洪積層上部一三~四〇メートルが削除されているので、残りの層が埋没していることになる。

第4表 浦和市第二電話局の洪積層
(埼玉県企画部「埼玉県南東部地帯の地盤構造」)
深さ(m) 地層 記号
0~6.5 関東ローム層 LM
6.5~13.0 淡色層 LV
13.0~18.3 第一砂礫層 1G
18.3~41.4 上部暗色層 UP
41.4~46.5 第二砂礫層 2G
46.5~60.3 下部暗色層 LD
60.3~ 第三砂礫層 3G