漁具

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漁網用おもりが二七個出土している。第41図の1~27までの土玉で、径二〇~三〇ミリメートル、孔径三~六ミリメートルという小さなものである。おもり自身には区別がないが、詳しく調べるとおよそ二種類に分けられる。すなわち孔径三ミリメートル内外のものと孔径五ミリメートル内外のものである。これにより本遺跡には二つの漁網があったと推測できよう。この漁網は小形の個人用であって、付近の池沼にて漁をしていたことを物語っている。

第21図 2イG 2ロG 出土土器(1号住居址)
第22図 9ロG出土土器の1<br>(2号住居址)
第23図 10イG出土土器<br>(2号住居址)
第24図 9ロG出土土器の2<br>(2号住居址)
第25図 10ロG出土土器<br>(2号住居址)
第26図 1イG出土土器<br>(1号遺構)
第27図 5イ,ロG出土土器<br>(2号遺構)
第28図 6イG出土土器の2<br>(2号遺構)
第29図 6イG出土土器の1<br>(2号遺構)
第30図 6ロG出土土器<br>(2号遺構)
第31図 11イG出土土器の1<br>(3号遺構)
第32図 11イG出土土器の2<br>(3号遺構)
第33図 12イ,ロG出土土器の1<br>(4,5号遺構)
第34図 12イ,ロG出土土器の2<br>(4, 5号遺構)
第35図 12ハG,13イG出土土器の2<br>(4,5号遺構)
第36図 12ハG,13イG出土土器の1<br>(5号遺構)
第37図 10ニG出土土器
第38図 13イG出土土器の3<br>(5号遺構)
第39図 表面採集および既掘の土器の1
第40図 表面採集および既掘の土器の2
坏、碗
碗、甑、高坏
須恵器、手捏土器、長甕
漁具,石器

 また第41図A~Hの八個の土錘が出土している。これらの土錘は磨耗破損が多いが長さは一センチメートル前後、径四~五センチメートル、孔径は一〇ミリメートル内外である。これらから推定すると一〇ミリメートル位の太い漁網を使用し比較的大きな川、沼などで部落などの集団によって漁をしていたのではないかと考えられる。土錘に含まれている砂の大きさ、焼成などをみると別々に作られたものか、あるいは時期を異にして作られたものと見受けられる。このことは操業中に欠損していったとき一個々々補充していったものと考えられる。