土器、漁具、祭具、各種用材などの多くは植物質によってできた黒色土に含まれている。黒色土は六層前後あるが遺跡全体に平均して水平に拡がっているのではなく場所によって相違がみられる。
遺物は第6表のように第二黒色層およびその下の第三粘土層に多く存在している。実際にはもともと遺物は生活面であった第三粘土層上とみるべきであるが、その上面に第二黒色土層が成形されたためこの層に包含される結果になったものである。
有機質黒色土層 | 出土件数 |
---|---|
第1黒色土層 | 8 |
第2黒色土層 | 15 |
第3粘土層 | 8 |
第3黒色土層 | 7 |
第4黒色土層 | 1 |
第5黒色土層 | 2 |
第6黒色土層 | 1 |
黒色土を植物層とした場合、少なくとも六回前後の土砂の堆積過程があったとみることができる。これと人間の生活空間との関係は、非常に興味のある問題である。土砂の堆積状況、遺物の出土状態および土器形式からして少なくも二回前後の住居空間が存在し、その間隔は短かったものと判断できる。