八条郷

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八条郷は、現在の八潮市を中心とした地域の古い呼称で、そのうえ越谷市内のうち伊原・麦塚・南百・別府・四条・千疋の地域をも含んでいたとみられる。この郷名は、平安時代に八条左大臣義輔が八条の地に流されて住んでいたことから名付けられたともいわれるが、明確ではない。古くは「野与党系図」に、野与党箕勾の分流八条五郎光平の名が見られるし、『吾妻鏡』建暦三年(一二一三)五月の条に「武蔵国大河戸御厨内八条郷」とあるので古い郷名には違いない。