鷹場の復活

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享保元年(一七一六)四月、紀州藩主徳川吉宗が江戸城に入って八代将軍を継ぐと、吉宗は同年八月、廃止されていた旧鷹場を改めて鷹場に指定した。このとき、〝御留野〟(禁野(しめの))といって禁猟区に定められた地域は、武蔵の足立郡・豊島郡・葛飾郡・荏原郡・橘樹郡・久良岐郡・都築郡・多摩郡・高麗郡・新座郡・入間郡・埼玉郡、相模の三浦郡・鎌倉郡・高座郡・愛甲郡、下総の葛飾郡・千葉郡・印旛郡・相馬郡・筑波郡などのうち、幕領・私領・寺社領にかかわりない江戸から一〇里四方の地域にわたっていた。

 このうち江戸から五里以内にあたる、沼部領・世田ヶ谷領・中野領・戸田領・平柳領・淵江領・葛西領・八条領・品川領の各領が将軍家の鷹場に指定され〝御拳場〟と称された。