石造物の種類とその数

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民間信仰では多くの石造物を造立しているのが特徴である。これらの石造物によって江戸時代の民間信仰を知ることができるとともに、庶民文化の一端をうかがうこともできる。

 市内の主な石造物をみると、庚申塔三六一基、石地蔵一九四基、御手洗石八五基、馬頭観音六七基、石燈籠五八基、普門品供養塔四一基などが数えられる。また数の少ないものでは、十三仏供養塔の四基、法華塔の三基などがある。『越谷市金石資料集』(昭和四十四年市史編さん室刊)に収められたものと、その後に確められたものを加え、これらの石造物を二四種にわけて年代別にその造立数を表にしたものが第57表である。総数は、正保年代から昭和年間までに一一三〇基が数えられる。このほか、宝篋印塔、五輪塔、諸神塔、あるいは歌碑や墓石までかかげると、石造物の数は市内でも数えきれないほどである。

第57表 石塔・石仏年代別造立
種別 庚申 猿田彦 塞神 地蔵 観音 馬頭観音 念仏 普門品 真言 法華 弘法 不動 十三仏 月待 普請供養 廻国 六十六部 出羽三山 道標 稲荷 水神 疱瘡 御手洗 燈籠 合計
年号
正保 1 1 2
慶安 1 1
承応 1 2 1 1 5
明暦 1 1
万治 3 4 7
寛文 7 18 7 1 1 34
延宝 7 7 1 1 1 1 18
天和 3 1 2 6
貞享 3 2 1 6
元禄 20 9 2 1 2 2 1 2 39
宝永 12 2 1 1 1 17
正徳 14 10 1 1 3 1 1 31
享保 35 38 1 1 2 1 2 2 1 5 2 3 1 94
元文 8 3 1 1 2 1 1 1 1 2 21
寛保 2 5 1 2 1 1 1 13
延享 5 1 2 3 1 12
寛延 3 4 1 1 1 10
宝暦 21 6 2 3 1 1 1 3 1 4 1 1 1 46
明和 13 1 8 2 2 3 1 2 1 33
安永 16 6 1 1 1 2 1 5 2 1 3 4 2 45
天明 11 2 1 1 2 2 2 1 1 1 2 26
寛政 42 3 1 3 3 6 1 2 3 2 2 2 1 2 2 75
享和 1 1 2 1 1 1 1 1 2 11
文化 33 3 1 6 1 8 2 8 1 1 4 1 2 4 3 5 6 7 96
文政 27 2 2 3 5 3 6 1 1 2 3 1 1 2 3 1 6 5 74
天保 23 8 4 10 3 4 2 1 2 6 2 5 3 3 1 6 7 90
弘化 2 2 2 1 1 1 1 10
嘉永 13 1 4 3 2 1 1 2 2 1 1 7 4 42
安政 2 2 2 1 1 1 2 1 2 1 15
万延 7 1 8
文久 2 1 2 1 1 2 1 1 1 2 14
元治 1 1 1 1 1 5
慶応 4 1 1 3 1 4 2 16
明治 2 3 3 4 6 2 2 3 4 1 3 1 16 6 56
大正 4 1 1 2 5 2 15
昭和 1 4 1 9 4 1 2 1 4 2 29
不詳 24 2 1 35 1 5 2 1 7 2 3 3 4 3 6 8 107
合計 361 23 9 194 25 67 32 41 12 3 7 32 4 13 38 12 20 15 13 27 30 8 85 58 1130