重要農産物共進会

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南埼玉郡に重要農産物品評会が開かれるのは明治三十三年三月である。この頃より県下各郡で同様な品評会が開設されはじめている。岩槻町に開かれたこの第一回の品評会は「重要農産物及ヒ繭ノ改良」(「南埼玉郡重要農産物共進会規則」)を目的とし、米・麦・大小豆・綿・藍・繭・茶・野菜の九種が出品されている。運搬費用などは各町村農会の負担となっていた。桜井村では上原次郎右衛門(関取米)、小倉三吉(入源蔵米)の二人が出品した。

 その後この共進会は南埼玉郡農友会が主催となり、重要物産品評会として明治三十七年三月(岩槻町)、四十年三月(越ヶ谷町 第三回)、四十二年三月(岩槻町 第五回)、同年十二月(粕壁町 第六回)に開かれている。四十年三月の品評会は越ヶ谷尋常小学校で開催され、教育品展覧会も併せて開かれていた。このとき四貫九五〇目の大蟹も出品され話題をよんでいる。四十二年の粕壁町に開かれた第六回品評会は、出品点数は三五〇〇点余に達し、桐箪笥類がはじめて出品されている。当時この地方の梧桐の加工に従事する職人数は三〇〇〇人余に達していたという。このとき潮止信用組合、鷲宮信用組合が表彰されている。