明治二十二年四月一日、越ヶ谷町外一ヵ町組合として正式に発足した組合町は、四月二十五日に越ヶ谷町が、五月一日に大沢町が町会議員の選挙を行い、組合町の体裁も整えられた。こうして五月十日新たに選出された両町の議員協議会が開かれ、次のような申し合わせが行われた。
今般両町組合議員ノ定員及選出、其ノ他組合長及助役ノ定員等、毎町議員ノ協議ニ拠リ決定スル左ノ如シ
一、組合会員ハ拾八人ヲ定員トス 但、各町九人宛、毎町会議員中ヨリ互選ヲ以テ選出スルモノトス
一、組合長ハ名誉職トス
一、組合助役ハ定員壱名トス
以上、決定ニ付、連署捺印候也
(議員名 略)
さらにこの組合結成上の基本的な話し合いは、十一月十四日に行われ、申し合わせの追加決定が示された。
協議決定追加書
越ヶ谷町大沢町組合事務管理方、明治廿二年五月十日協議決定条項へ費用分担方其他、左ノ数項ヲ追加決定ス
一、組合町長事務管理方ハ総テ町村制ノ各正条ニ依ルベキモノトス
一、組合町ニ収入役一名ヲ置キ、越ヶ谷町人民中ヨリ組合町長ノ推薦ヲ以テ選挙ス
一、役場書記ハ現在員四名ヲ以テ定員トス、其人名給額ハ別紙ノ如シ
一、組合町会議員欠員スルトキハ其町議員ヨリ直チニ之ヲ互撰スルモノトス
一、組合町費ノ分担方法ヲ定ムル左ノ如シ
組合町費ノ負担額ハ越ヶ谷町ニ於テ六分、大沢町ニ於テ四分トス、例エバ千円ノ負担額トセバ越ヶ谷町六百円、大沢町四百円トスルガ如シ
一、以上ノ負担費額ハ各其町ニ於テ賦課ノ細目ヲ定ムル事
一、組合町ノ連旦事業トシテ支出スベキ経費目ハ左ノ六項トス
(一)、組合町役場費 (二)、組合会議費
(三) 衛生費 (四) 救助費
(五) 警備費 (六) 勧業費
一、以上六項ノ外ノ費目ハ各町限リ負担スベキ事
一、天災時変其他予知スベカラザル臨時支出ノ費用ハ各其町ノ負担タルベキ事
右越ヶ谷町大沢町ヲ代表シ協議決定候処、相違無之候也
つまり、越ヶ谷・大沢町組合は、組合町長―助役―収入役―書記(四名)の役場体制と、両町議員より九人ずつ選ばれる一八名の組合会議員の議決機関とからなる。組合町費は、組合町役場費および組合会議費など六費目のみで(その負担比率は越ヶ谷六分、大沢町四分とする)、その他は各町会の専決事項であった。